ねむろバイオマスセミナー

 

「ねむろバイオマスセミナー」開催内容 

  

 バイオマスネットワークねむろでは、地域の人たちに地域でのバイオマスの取組を知っていただくためセミナーを開催しました。

 

第7回

 平成30年2月13日(火)/中標津町総合文化会館 参加者 70名

 ◇講演
  ○「中標津町バイオマス産業都市構想について」
    中標津町経済部 参事 板橋 豊  氏                                   
  

     ○「北海道におけるバイオガスプラントの現状について」
           バイオマスリサーチ株式会社 常務取締役 竹内 良曜  氏  

 

 

 

 

 

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    中標津町経済部参事の板橋氏から、平成29年に国に認定された「中標津町バイオマス産業都市構想」について講演していただきました。臭気対策、河川流出対策、有効活用対策などの「家畜ふん尿対策」が行政課題としてあったこと。 家畜ふん尿の管理状況の変化による家畜ふん尿の増量、市街地の拡大による市街地住民と酪農エリアの接近化、観光振興・空港対策上の課題などの構想策定に至った経緯ほか、家畜排泄物のエネルギー化、肥料化を中心とした循環型「農」のまちづくりを目指す構想の概要についてご説明いただきました。                             

    バイオマスリサーチ株式会社 常務取締役の竹内氏から、北海道におけるバイオガスプラントの現状について講演していただきました。北海道内には稼働中・建設中のバイオガスプラントが83基あり、個別型・集中型バイオガスプラントについては事例を踏まえて紹介していただきました。ほか、肥効の向上、悪臭の減少、雑草種子の死滅、有害細菌の死滅、病害抑制効果、土壌の団粒化などの、消化液の効用について説明がありました 。

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第 6 回                                             

 平成29年2月28日(火)/根室市総合文化会館 参加者 48名

 ◇講演
  ○「食品廃棄物等バイオマスの利活用計画の進め方」
    北海道大学大学院工学研究院 准教授 石井 一英  氏                                   
  

     ○「バイオマスの混合処理による利活用事業の推進事例」
           北海道大学大学院工学研究院 特任助教 藤山 淳史 氏  

  ○「鹿追町環境保全センターの取組み」
           鹿追町農業振興課課長補佐 兼 環境保全センター係長 城石 賢一 氏     

  

  

  

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    北海道大学大学院工学研究院の石井准教授から地域の物質と経済の循環の観点からバイオマスを利活用する意義と、再生利用率が低い食品廃棄物(家庭生ごみ含む)の利活用事業計画の考え方について講演頂きました。 現在多くの自治体では、生ごみ、し尿・浄化槽汚泥、下水汚泥を、焼却施設、し尿処理センター、堆肥施設とそれぞれ個別の施設にて処理をしているのが実際だが、これらをバイオガスプラントにて一括・集約処理することで輸送費や施設費用の削減、温室効果ガス排出の抑制といったメリットを享受できるとの説明がありました。                                                   

    北海道大学大学院工学研究院の藤山特任助教から、全国のバイオマスの混合処理の事例を踏まえ、バイオマス利活用事業成立に必要な要件について講演頂きました。例として触れられた、福岡県大木町の「おおき循環センターくるるん」は、従来のごみ処理施設とは異なり、生ごみなどをメタン発酵技術により循環利用するための施設であり、ここでは、焼却処理していた生ごみや海洋投棄処理をしていた浄化槽汚泥をエネルギー資源として再利用し、し尿は有機肥料として町内で活用してるとの説明がありました。こうした地域循環システムは、ごみの半減、環境負荷の低減、ごみ処理費の削減、地域雇用の創出といった効果を生み、地域に大きな貢献をもたらしているとのことです。 

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   最後に鹿追町農業振興課課長補佐 兼 環境保全センター係長の城石氏から、平成19年10月に稼働した鹿追町環境保全センター・バイオガスプラントの建設までの計画や稼働状況、水素実証事業への取組みなどについて講演頂きました。 

 バイオガスプラントの余剰熱を利用したマンゴーの栽培や、チョウザメの飼育、サツマイモの貯蔵といったトピックについても触れられ、栽培されたマンゴーは東京のデパートにて、1個1万5,000円で販売され、瞬く間に完売になったとのことです。       

 

 

第 5 回

 

 

 

 


平成28年2月19日(金)/別海町マルチメディア館 参加者44名

 ◇講演
  ○「別海バイオガス発電施設の稼働状況と今後の展望について」
    別海バイオガス発電株式会社 所長 有田 博喜 氏        
  

  ○「個別型バイオガスプラント導入の留意点及び利用拡大の展望について」
    株式会社土谷特殊農機具製作所 専務取締役 土谷 雅明 氏
 

 

 

 

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 別海バイオ発電の有田所長からは、会社設立から発電事業に
至るまでの経緯について説明いただいたほか、家畜ふん尿の日
処理量や発電量の施設諸元、再生敷料及び消化液の効果などに
ついて講演いただきました。
 また、他地域との連携については、施設の共有化や技術者の
共同利用を推進し、地域環境への配慮及び事業の効率化を図っ
ていく旨の展望を示されました。                                                                  

   

 土谷特殊農機具製作所の土谷専務取締役からは、同社が建設されたプラントから発生するバイオガス量について説明いただいたほか、イニシャルコストが若干増額となっても、ガス発生量の増大効果を勘案したプラント設計を行っている旨の報告がありました。
 また、効率的な発酵と発電効果が得られるように、プラント集中管理システムを各個に導入しているという説明に加え、メタン発酵槽をRC造で建設するなどの建設・維持コスト削減内容について講演いただきました。

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第 4 回


平成27年2月20日(金)/中標津町総合文化会館 参加者 51名

 ◇講演
  ○「バイオガスプラント利活用の展望について」
    ホクレン農業総合研究所 顧問 松田 從三  氏        
  

  ○「バイオガスプラント導入による効果について」
    弟子屈町 阪口牧場 阪口 正明 氏
 

 

   

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 ホクレン農業総合研究所の松田顧問から、発電に比べ、ガスをボイラーで直接使用すると90%利用でき熱効率が高いため、今後は、ガス利用を考えていくべきとの提言がありました。ガスを低圧貯蔵で輸送する仕組みについて説明がありましたが、大口の需要先を見つけることが難しいとの課題が挙げられました。また、今後は、農地が不足し、消化液が余ることも予想されるため、消化液を低水分化し、濃縮や固形化する技術について説明がありました。

                                                                          

   

阪口牧場阪口さんから、多産業をやってみたかったことと、牧場が国立公園内にあり、別荘地も近いため、排水や臭気対策としてバイオガスプラントを建設した、との説明がありました。バイオガスプラントで売電してから2年が経つが、消化液をまくことで、臭気の苦情が全く来なくなり、雑草が減って牧草の収量が増えたとの報告がありました。今後は、発電だけではなく、ガスを使うことで灯油の使用量を減らし、温室効果ガスを削減して、Jクレジットを取っていきたい、との話がありました。

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第 3 回                                             

 平成25年11月29日(金)/別海町マルチメディア館 参加者 50名

 ◇講演
  ○「ふん尿バイオガス化プラントの効果と事業性について」
    北海道大学大学院工学研究院 准教授 石井 一英  氏                                   
  ○「バイオガスプラントを活用した牧場経営について」
             サンエイ牧場  代表理事組合長 鈴木  正喜  氏

       ○「別海町バイオマス産業都市構想について」                              別海町産業振興部 部長 有田 博喜  氏 

  

  

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    北海道大学大学院工学研究院の石井准教授から「ふん尿バイオガス化プラントの効果と事業性について」と題して講演していただきました。バイオガスプラントや木質チップボイラーを使い、村内で使用するエネルギーを自給自足でまかない、雇用も生み出しているドイツの先進事例の紹介がありました。また、集中型プラントでふん尿を処理した場合の事業採算性の評価方法についての説明がありました。

 

                                                                  

     サンエイ牧場の鈴木代表理事から「バイオガスプラントを活用した牧場経営について」と題して講演していただきました。平成24年に建設した大規模バイオガスプラントについて、悪臭対策で導入したが、においが少なくなったほか、消化液に雑草の種子や大腸菌が死滅するメリットがあることや導入にあたっては、様々な手続きがあり、専門知識が必要なので大変だったとの話がありました。プラントは、順調に稼働し、FITの売電収入もあるが、プラント建設時には、高額な初期投資が必要になるという課題があることを訴えました。た。                                                                           

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 aritabucho.jpg     平成25年6月に国から選定された「バイオマス産業都市構想」について別海町の有田産業振興部長から説明していただきました。建設予定のバイオガスプラントは、約5,000頭の乳牛の排せつ物と食品残さを原料とし、売電や液肥、敷料の販売を行うため、家畜排せつ物の収集運搬等で雇用が生まれ、地域への経済効果が活発になる、との話がありました。また、中標津町と連携して施設の共有化や技術者の共同利用を推進し、広域連携により、事業の効率化を図る予定との説明がありました。        

 

第 2 回


平成25年2月8日(金)/別海町マルチメディア館 参加者 76名

 ◇講演
  ○「全道におけるバイオガスプラントの現状について」
    北海道バイオマスリサーチ株式会社 取締役 竹内 良曜  氏        
  ○「バイオガスプラント建設に向けて」
    ホクレン農業総合研究所 顧問 松田 從三 氏

 ◇北海道認定リサイクル製品の展示  

 

 

 

 講  演    

  

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北海道バイオマスリサーチ株式会社の竹内取締役から「全道におけるバイオガスプラントの現状について」と題して講演していただきました。全道の自治体や農協、森林組合などへのアンケート結果からバイオガスプラントの普及を阻害している要因として、「建設コストが高い」「売電単価が低く採算が合わない」「メーカーまかせで十分な打合せがなかったため、不具合が発生し、修理費がかかる」との回答があったため、地元企業と連携し、低コストで地元企業でメンテナンスが可能なバイオガスプラントを開発中である、との話がありました。  

   

       

 ホクレン農業総合研究所の松田顧問から、「バイオガスプラント建設に向けて」と題して講演していただきました。バイオガスは、太陽光や風力に比べ、エネルギー生成の安定性が高いが、家畜ふん尿用のバイオガスプラントは、建設費の補助がなければ、売電だけでは利潤が発生せず、副産物(消化液や敷わら)の利用によって経済的に成立するので、ふん尿処理としての施設と考えた方がいいとの話がありました。

                                                                  
  

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第1回


平成21年2月4日(水)/別海町マルチメディア館  参加者 約120名

 ◇基調講演 「バイオマスと北海道農業」/酪農学園大学 教授 干場 信司 氏

 ◇取組事例発表
  ○「乳牛糞尿のバイオガスプラントを主体としたアグリビジネスの構築」
   別海町環境特別推進室 室長 有田 博喜 氏
  ○「バイオガスプラント導入による農業経営の変化」
   士幌町鈴木牧場 鈴木 洋一 氏

 ◇「バイオガス車の展示」及び「バイオマス関連パネル展示」

 

 

 

基調講演


 

bio_hoshiba.jpg  基調講演では、酪農学園大学の干場教授から「バイオマスと北海道農業」と題して講演いただきました。
 食糧になるものは人が食べ、次に家畜の飼料、次に肥料、そして、バイオガスプラントなどの燃料にと、一次産業から得られるものを循環させることがエネルギー効率もよく、非常に重要である。
 また、バイオガスプラントを維持するためには、消化液を肥料として利用することと売電単価が重要であり、施設補助よりも売電単価への補助を手厚くすることなどを挙げました。

 

 

 

 

 

 

取組事例

 

 

 取組事例の発表として、1人目は「乳牛糞尿のバイオガスプラントを主体としたアグリビジネスの構築」をテーマに、別海町環境特別推進室の有田室長から発表していただきました。
 別海町では、乳牛約11万頭から発生する家畜ふん尿(190万t/年)をバイオガスプラントでエネルギー化すると、灯油換算で年間18,784t分(町全体の年間消費エネルギーの44.6%)に相当することから、家畜ふん尿の処理・利活用を内容としたバイオマスタウン構想を公表(平成18年3月)しました。
 また、バイオガスプラントでは共同研究により、都市ガス同等に改質しガスボンベやパイピングにより、都市ガス用器具で給湯器、ガスストーブ、さらには自動車燃料として使えることを実証しました。
 今後の課題としては、施設補助やバイオガスの利活用と販売促進を挙げました。

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bio_suzuki.jpg  取組事例発表の2人目には
 士幌町鈴木牧場の鈴木さんから、「バイオガスプラント導入による農業経営の変化」として、実践事例発表をいただきました。
 バイオガスプラント利用による評価として、家畜ふん尿処理に係る労力の省力化や農場周辺の環境改善、自家消費電気の買電の減少がある一方、課題として売電など制度上の問題やバイオガスプラントの建設費が高いなど、規制緩和や支援の必要性を訴えました。

 

 

 

 

当日の様子

 

 

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バイオガス車

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パネル展示

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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