エゾシカ被害対策研修会
当森林室では平成22~23年度にかけて、地域の森林管理を担う林業事業体の若手職員を対象に、林業技術力の向上を目指す『地域林業を担う技術者育成研修会』の開催を計画しています。
平成22年9月29日に、第3回目の研修会としてエゾシカ被害対策研修会を標津町との共催により開催しました。今回の研修会は、近年河畔林や多様な樹種からなる混交林の造成を目的に植樹されている広葉樹に深刻なエゾシカの食害が見られ、その対策が急がれていることから、林業試験場の研究員をアドバイザーに根室管内の被害の実態や先進的な取り組みを紹介し、各地域での被害対策の取り組みに役立ててもらおうと計画しました。
室内研修
標津町生涯学習センター「あすぱる」での室内研修では、森林室から1)根室管内の広葉樹人工林の資源構成、2)主要広葉樹6種の生育状況を報告しました。その後、3)北海道が実施しているエゾシカ食害影響調査の分析結果の紹介、4)林業試験場が実施しているエゾシカ食害が広葉樹の成長に及ぼす影響調査の結果について報告しました。
さらに5)エゾシカ食害のリスクを軽減するパッチ状混植の事例紹介や、6)エゾシカ食害対策として根室管内で取り組まれている忌避剤散布や各種エゾシカ侵入防止柵について紹介しました。また、7)角こすり被害対策に有効な枝条巻きについても紹介しました(森林室の講義資料は、こちらのエゾシカ研修会室内資料(PDF 1.1MB)をご覧下さい)。角こすり被害対策については、日高振興局森林室普及課作成の「枝条巻きでエゾシカ被害を防ぐ!」と「枝条巻きを行ったトドマツ林の5年間の経過」資料を活用しました。
標津町からは、農林水産課の長田自然保護専門員が標津町内のエゾシカによる農林業被害や交通事故被害の実態について報告しました。また、鈴木林政係長は標津町が取り組むパッチ状混植の調査結果の報告や、エゾシカ被害対策として今年度から取り組んでいる標津方式(シカ防護柵とくくりワナ)による対策について報告しました(標津町の講義資料は、こちらの標津町のエゾシカ森林被害対策について(PDF 126KB)をご覧下さい)。
現地研修
1)標津町内で平成19年に造成されたパッチ状混植試験地において、標津町役場・標津町森林組合・森林室の3者で実施しているモニタリング調査の結果について報告し、エゾシカ食害の実態を観察しました(モニタリング調査の報告書は、標津町役場農林水産課林政係のページおよび標津町森林組合のページに掲載されています)。
2)平成20年秋に北海道開発局により施工された植栽地において、生態学的混播法やカミネッコンによるパッチ状混植法で植栽された広葉樹の生育状況を確認しました(現地視察1)~2)の説明資料は、こちらのエゾシカ研修会現地資料(PDF 506KB)をご覧下さい)。
3)室内研修で報告した平成22年標津町植樹祭植栽地において、鈴木林政係長からシカ防護柵の概要とシカによるネット破損被害状況、および今後のシカ被害対策の方向性について説明しました。また長田自然保護専門員からは、くくりワナの仕組みや効率よく捕獲するワナの設置方法について説明しました。研修参加者は、当日の朝にワナで捕獲されたシカを見ながら、くくりワナの効果を実感していました。
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森林室による室内講義 |
パッチ状混植試験地での説明 |
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標津町役場による現地説明 |
くくりワナ「スーパーマグナム(下側)」 |