根室農業改良普及センター技術情報 ほ育期の管理~環境について

ほ育期の管理~環境について
                       
(2005年8月)

 牛の管理はできるだけ、

  • 乾燥していて、
  • クリーンな環境で
  • ストレスを与えない管理
        が望まれます。 

 ほ育期の初乳による免疫力が下がりはじめるころから、子牛自身の免疫力が身に付くまでの期間は、ストレスや疾病の影響を受けやすいので、特に注意が必要です。

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 今回は、その環境の改善のポイントについて説明したいと思います。

 

 1 親牛とは違う環境で管理
 親牛には平気な環境でも、子牛にとっては影響を受けやすいので、親牛(成牛舎)からなるべく早く離し、別の施設で飼うことが望ましいです。

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写真1 日当たりと水はけの良い場所に設置されたカーフハッチ群

 

2 子牛同士の接触を避ける
 子牛同士の接触を避けることで、病気の感染を最小限にすることができます。
 ロボットほ乳のような、集団で管理する場合は、より徹底した管理が必要になります。
3 子牛を濡らさない管理

 子牛を濡らさないためには、周りの環境も濡らさない、汚さない管理が必要になります。

 そのためには次のことに注意しましょう。

  • 換気がよい
  • 敷き料のこまめな交換
  • こまめな除糞
  • 排水性がよい(1)
  • 雨水等が侵入しにくい(2)

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図1 カーフハッチの寸法例

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写真2 運動場を設け子牛が自由に寒暖を選べるようにしている例

 
 
(1) 排水性の改善 
  •  カーフハッチやペンの底部にすのこや枕木を設置する
  • カーフハッチの設置場所に砂利などを敷き詰める
(2) 雨水などの浸入を防ぐ
  • カーフハッチの設置場所を砂利や火山灰などで盛り上げる
  • 小高い場所に設置する
  • ビニールハウスや専用の牛舎の中にペンやカーフハッチを設置する
    (換気も考慮)
 4 冬場の管理

 環境の温度が低下すると、体温を維持するために、エネルギーを消費します。
 そのエネルギーの消費を極力抑えるために、子牛の熱が奪われない管理を行うことが重要になってきます。(図2)
 厳寒期は換気を考慮して、保温を優先した構造がよいでしょう。

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図2 防寒対策のポイント

〔防寒対策のポイント〕

  • 日光の暖かさを活用
  • 風は直接当てないようにする。すきま風にも注意
  • 囲まれた場所で、自分の熱を逃さない
  • コンクリートなどの冷たい壁から熱を奪われないようにする(牛舎内)
  • 地面から熱を奪われないように乾いた敷き料をたっぷりといれる
  • 敷き料の交換をこまめに行う
 〔工夫事例〕

 ~酪農女性からの防寒対策アイデア~

  • トレーナーの袖を切って子牛に着せている
  • 毛布を掛けるだけでも効果あり
  • 空の洗剤の容器にお湯を入れ湯たんぽとして使っている
  • 投光器で子牛を暖めている

(注意) 投光器を使用の際は、火災や感電事故の恐れがあります。充分注意して使用下さい。
      専用の保温ヒーターの使用なども検討下さい。

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写真3 ふれあいは大切です。

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