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最終更新日:2012年7月12日(木)

スラリーの有効活用による良質発酵サイレージ調製

 (2007年10月)

  今年はJA中春別と共に、春のスラリー散布がサイレージ発酵品質へどのような影響を与えるか調査しています。
 10月23日にスラリー散布量等を調査した1番草のバケツサイロを開封し、その発酵品質を確認しました。

図1 バケツサイロ開封時の調査
 図1 バケツサイロ開封時の調査

 開封後、臭いなどの官能検査で発酵品質の違いを確認しました。
 その結果、春スラリー散布量が少ない方が臭いなどの官能検査でも良いことが確認できました。
 また、春スラリー散布1t/10a程度のサイレージと1.5t程度のサイレージの採食試験を行いました。
 その結果、スラリー散布量が少ない方を先に食べました。
そして、その他発酵品質に関係する要因を粗飼料分析結果から解析しました。

黄○~春スラリー1t程度  赤○~春スラリー1.5t程度
図2 春スラリー散布1t/10a程度のサイレージと1.5t/10a程度のサイレージの採食試験
※先に春スラリー1t程度のサイレージを食べ、その後1.5t程度のサイレージを食べた。 

 粗飼料分析結果をグラフ化するといくつか傾向が見られました。
 

x〔春スラリー散布量(t/10a)〕  y〔アンモニア態N(%)〕  「散布時期が遅い」  「スラリー加水・ばっ気あり」
図3 春スラリー散布量と粗飼料中アンモニア態チッ素含量の関係

 ※分析結果より、春スラリー散布量は少ない方がアンモニア態チッ素含量が少ない傾向にありました。
 また、スラリーを加水、ばっ気をしているものは2t/10a散布していてもアンモニア態チッ素含量が少ない結果となりました。 
 

図4 粗飼料中アンモニア態チッ素含量と春スラリー散布から収穫までの期間の関係
図4 粗飼料中アンモニア態チッ素含量と春スラリー散布から収穫までの期間の関係
 

※ 春スラリー散布から収穫まで50日以上あるものではアンモニア態チッ素含量が少ない傾向にありました。
 

[春スラリー散布なし] [春スラリー散布量1t/10あ程度、収穫時軽予乾の実施]
図5 アンモニア態N含量と水分の関係
 

※ 春スラリー散布1t/10a程度で収穫時に軽予乾を行っていたものは春スラリー散布なしと同じようにアンモニア態チッ素含量が少ない結果となりました。

図6 春スラリー散布量とK含量の関係
図6 春スラリー散布量とK含量の関係
 

※ 春スラリー散布量が多い程、粗飼料中のカリ含量も高い結果となりました。
 
 スラリー1t/10a程度でサイレージ発酵品質の良かった農場の収穫調査も行ったところ、牧草の刈り取り高さは10cm程度、収穫時には半日程度の予乾を行っていることが分かりました。
 

刈り取り高さは10cm程度
図7 高い刈り取り高さ

モアコンで刈り取り後、半日程度の予乾
図8 予乾の取り組み
 

 これらの結果から春スラリーを有効に活用するためには、

  • 春スラリー散布量は、ばっ気・加水などをしていないものであれば1t/10a程度が目安となる。
  • 春スラリー散布は5月上旬から数日内に終える。
  • 春スラリー散布から収穫までは50日以上開ける。
  • 収穫時には、10cm程度の高さで刈り取る。(スラリー残さなどの異物混入をさける)
  • 刈り取り時には、半日程度予乾を行う

       等の取り組みが必要であることが分かってきました。

 その他にも、基本的な技術(詰め込み時の鎮圧の徹底、異物混入防止、収穫時の牧草切断長・切断面の適正化など)や植生の悪化した草地の更新なども重要です。
 
 今後、各農場でのサイレージ調査を行う予定です。
 これからも良質発酵サイレージ調製に必要な技術を現地農場の取り組みを通じて広く普及していきたいと考えています。

 

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