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ホーム > 産業振興部 > 根室農業改良普及センター >  根室農業改良普及センター技術情報 根室管内のサイレージ用とうもろこし作付け状況


最終更新日:2011年9月30日(金)

根室管内におけるサイレージ用とうもろこしの作付け状況について
                           
(2009年1月)
                    根室農業改良普及センター 作況担当

  飼料代の高騰などから、デンプン源を得る手段としてサイレージ用とうもろこしの作付けが注目されています。
 このことから、根室管内のサイレージ用とうもろこしの栽培面積と戸数の推移から見える状況と今後について説明します。

1.作付け面積と戸数の推移  
  面積の推移を見ると、H5年と比較し、5倍に拡大しています(393.3→1988.8ha)。
 特にH18年から増加傾向にあり、今年になり更に増加しています。
 総面積の内訳を見てみると、マルチ栽培が減り露地栽培が増えています。
 総面積が増えた主な要因はTMRセンターでの大面積栽培と飼料代高騰で関心が高まった事が上げられ、マルチの減少と露地の増加の要因は被覆資材の価格上昇と「ぱぴりか」や「クウィス」など露地でも黄熟期を目指せる品種の登場が考えられます。
 根室管内サイレージ用とうもろこしの栽培面積の推移
 管内で作付けされている主な品種(H20年)
 

クウィス(73日)
ぱぴりか(75日)
39M48(82日)
39F83(82日)
デュカス(80日)
39H32(85日) 

80日前半から70日クラスの利用が多く見られ、そのクラスの種類も増えてきています。
 

サイレージ用とうもろこし

 総面積の増加に伴い、栽培戸数と1戸あたり面積も増える傾向にあります。(下図)  
 H15と20年では31戸から109戸へと増加し、1戸あたり面積は13haから18haになっています。
 TMRセンター以外の戸数の推移を黄色い線で示しました。
 これらから見てH18年はTMRセンター分で作付け戸数・面積が増え、H19・20年はTMRセンター以外にも作付け戸数が増えたと言えます。
 栽培戸数と1戸当たり面積
 
2.地域ごとの特色
 栽培戸数・面積・1戸あたりの面積などから各地区の特徴をまとめるとこのようになります。(H15、16年は17年と同じ傾向のため除外)
 
中標津:TMRセンターと個別新規の作付け増加
西春別:TMRセンターで作付け
計根別:1戸当たりの面積が増加+新規
上春別:1戸当たりの面積が増加
中春別:ほぼ横ばい
標津:H19年から新規開始
別海:1戸あたりの面積が増加+新規 
 栽培戸数の推移
 地域別のH17~20年の作付け戸数の推移では、中標津と西春別が大きく増えています。
 両地区共にTMRセンターの影響がありますが、中標津年についてはTMRセンター分を除外してもH18年7戸、H19年13戸、H20年32戸と増加しています。
 これは、作付けに関してJAから機械などのバックアップ体制があることから、試しに作付けをしたいと考える人が気軽に始めることができる環境にあることが大きいと思われます。
 また、作付けが行われていなかった標津で新規に始まったことも特徴的と言えます。
 面積の推移
 地域ごとの面積の推移を見ると、中標津・西春別、別海の順に多くなっています。
 作付け戸数で説明したとおり、中標津と西春別はTMRセンターでの作付けが影響していると考えられ、別海については1戸あたりの面積が大きいことが伺えます。
 1戸あたり面積
 1戸あたり面積では別海が多く、西春別以外の他の地区は横ばい~緩やかに増加傾向にあります。
 西春別が減っているのは、TMRセンター作付け開始による構成員分の作付け戸数増加のためと思われます。 

 

3.今後の作付け面積と動き 
 現場の声から、今後の作付け面積は微増傾向で移行すると予測されます。
 ただし、過去を振り返ると昭和58年の大冷害で作付けを中止した経緯もあります。
 別海のアメダスから抽出した平成元年~20年までの5/15~10/15期間の積算気温を見ると、数年に一度低温になる年があります。
 気温が十分でない年があるリスクを把握することも大事です。 

 積算気温の推移
  年毎の積算気温に別海絹糸抽出期を重ねてみると、寒い年は絹糸の出る日も遅れ、早い年と比べると20日以上遅れています。
  このような年は、絹糸の遅れだけではなく子実の熟期も十分と言えません。
 積算気温の推移と絹糸抽出期
  普及センターで調べた熟期の調査では露地の場合、20年間のうち、6年間は糊熟期が10月に入ってからでした。
  やはり、デンプン源として期待するには少なくとも黄熟初期の熟度が求められます。
 これらの年は露地マルチ共に糊熟期が10月に入っていた
 さらに露地では黄色い部分が糊熟期も10月に入っていた
  
 このようなリスクを少しでも回避するため、地域の特性に適した品種を選定していくことや適期播種など栽培方法の確立が求められます。
 
 また、今後の動きとして畑作農家が作付けし畜産農家へ提供する耕畜連携の試みも試験的に始まりつつあります。
サイレージ用とうもろこし 

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