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最終更新日:2013年10月24日(木)


根室農業改良普及センター営農技術情報 平成25年10月


粗飼料分析のすすめと分析値の見かた
                                      (平成25年10月)

 既に今年の一番草サイレージを給与している方もいると思いますが、その品質はどうでしょうか。今年は収穫時期に暖かい日が続き、草の成熟が一気に進んだため、収穫日や草地の植生によって品質のバラツキが大きいかもしれません。牛が一日に食べるエサの半分以上は粗飼料です。「栄養バランスのよい」エサを「腹いっぱい」食べさせるためには、まずは粗飼料の品質を把握することが必要です。

 

1 飼料分析による品質把握を

粗飼料の栄養価と品質を客観的に判断するために「粗飼料分析」を行うことをおすすめします。その際は、少々金額は高くなりますが、オプションの発酵品質も分析しておくとよいでしょう。分析依頼はJAや飼料メーカー等に問い合わせてください。

 

2 飼料分析値の見かた

主なものを以下に紹介します。

 

(1)牛の採食量に影響する項目

 
・水分、乾物率
 粗飼料から水分を除いたものが「乾物」です(乾物率とは粗飼料に含まれる乾物の割合)。同じ重さの粗飼料でも、水分が変わると牛が食べる乾物量が変わってしまうことになります(表1)。特にTMRの場合は、粗飼料の水分の変化に注意しましょう。

表1 水分の違いによる乾物量の差

現物 (kg) 

水分 (%) 

乾物率(%) 

乾物 (kg) 

 40

 80

 20

 8

 40

 75

 25

 10

 40

 72

 28

 11

 

※ 現物量が同じでも、水分の違いにより乾物量が異なる。
牛1頭あたり1~2kgの差は大きな違いとなる。

・NDF(中性デタージェント繊維)
 繊維の総量、いわゆる粗飼料の「ガサ」とよばれる部分です。「刈り遅れ」で高くなり、食い込めない粗飼料となります。

 

・発酵品質
 発酵品質は、し好性に影響します。
〈pH〉
酸性度を表す指標で、良い発酵をしているかどうかの目安となります。
[目標]中・高水分サイレージで4.2以下(水分65%以下の低水分サイレージではこの項目は注視しません)

〈乳酸〉
乳酸菌の働きにより乳酸が作られると、pHが低下し、他の細菌による不良発酵を抑制します。
[目標]1.5~2.5%
〈酪酸、アンモニア態窒素/全窒素〉
不良発酵の指標です。酪酸菌がアミノ酸やデンプン、乳酸などをエサにして酪酸やアンモニアを作ります(酪酸発酵)。酪酸発酵したサイレージでは、牛のし好性が悪化します。また酪酸やアンモニアが過度に多いと、疾病の直接的原因にもなります。
[目標]酪酸0.1%以下、アンモニア態窒素/全窒素 8.0%以下
・CP(粗タンパク質)
牧草中のタンパク質と、アンモニアやアミノ酸などの窒素化合物を合わせたものです。植生や収穫時期、肥培管理などにより変化します。

・TDN(可消化養分総量)
乳牛が消化吸収できるエネルギーのことです。NDFとは逆に、刈り遅れるほど低下します。

 

3 分析値を活用しましょう
まず粗飼料を十分に食べさせ、次に栄養の過不足を配合飼料や単味飼料で補います。
〈NDFが高く食い込めない〉
 粗飼料の一部をパルプ類で置き換えます。給じ回数や掃き寄せ回数を増やす工夫も効果があります。
〈発酵品質が悪い〉
 食いが悪いからと給与量を減らすと、粗飼料の絶対量が不足します。給与回数・量を増やし、少しでも良いところ食べさせる工夫が必要です。またエネルギー吸収量を高めるため、糖蜜などルーメン内での発酵が早いエネルギー源を加えることも検討して下さい(糖蜜添加は粗飼料のし好性を向上さる効果もあります)。

汚れたウォーターカップ   清潔なウォーターカップ

写真1 水槽をきれいに保ち、常に新鮮な水が飲めるようにしましょう

 採食量を高めるには、新鮮な水が飲めることも大事なことです。水槽の衛生状態、吐水量も忘れずにチェックしてください(写真1)。

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