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最終更新日:2014年7月19日(土)


根室農業改良普及センター営農技術情報 平成26年7月


 

乳牛のモニタリングと対策
                                      (平成26年07月)

1 モニタリングとは? 

 モニタリングとは乳牛の外貌や行動などを観察することにより、乳牛が発している様々なサインを察知することです。意識して牛を観察することで不調の兆候をみつけ、早めに対処することが出来ます。

2 何を観察するの?

 モニタリングの項目は次のとおり、多岐にわたります(図1)。

 モニタリング項目
図1 乳牛のモニタリング項目例 

 今の季節は暑熱等の影響によって、採食量が低下したり不規則になりやすい時期です。今回は採食状況に関連する部分を中心に再確認しましょう。
 腹(けん部)の張りと反芻(はんすう)
 腹(けん部)の張り
 粗飼料の採食状況を表しています。採食量が不十分な場合は、けん部が凹んでいます。常時、張りがあることが望ましい状況です(写真1)。

腹の張り

写真1 けん部の状況 (上:不十分 下:十分)

◎反芻(噛み返し)
 反芻は粗飼料(センイ)の充足状況を表しています。反芻は粗飼料の刺激によって促進されますが、採食量が不十分な場合は、この刺激が少なくなり、反芻も弱くなります。けん部の張りと合わせて確認しましょう。
 反芻は粗飼料給与後、1時間~1時間半後に最大となる場合がほとんどです。このときに牛群の概ね6割以上が反芻していれば良好な状態と判断出来ます。5割以下だと要注意です。
【ここを再確認!!】

粗飼料の給与量
 採食量を十分にするためにはまず、十分な給与量が必要です。飼料の切り替わり時は水分変化に注意し、給与量を調整することにより、乾物量が少なくならないように注意しましょう。
給与飼料のセンイの状態
 TMRではセンイの状態にも注意が必要です。攪拌しすぎはセンイを壊し、反芻刺激が弱くなります(写真2)。
環境
 快適な環境は牛をリラックスさせ、反芻を最大にします。様々なストレス(暑熱、換気不良、過密など)から解放することも大切です。

ぼろぼろなセンイ 

 写真2 攪拌時間が長すぎてぼろぼろになったセンイ

蹄の状態、行動

 蹄の状態悪化には様々な要因が関係しますが、栄養的な要因としてはルーメンアシドーシス(第一胃内が酸性化している状態)が考えられます。次のような場合はルーメンアシドーシスが疑われます。
 蹄周辺の発赤や腫れ(写真3、4)
 蹄壁の溝(写真5)
 蹄の冷却行動(写真6 熱や痛みがあるため、水たまりで冷却・鎮痛)

蹄の発赤 蹄腫れ

写真3 蹄周辺の発赤                   写真4 蹄周辺の腫れ

蹄壁の溝 蹄の冷却行動

写真5 蹄壁の溝                    写真6 蹄の冷却行動    

【ここを再確認!!】

粗飼料の採食量
 採食量(センイ)が不足した場合、反芻が制限されることによってルーメンアシドーシスの危険性が増加します。
穀類、配合飼料の給与量
 大麦やとうもろこしといったデンプン質飼料の過給はルーメンアシドーシスを引き起こしやすくなります。
採食環境や管理
 固め食いや選び食いは安定したルーメン発酵を妨げます。このこともルーメンアシドーシスの一因となります。

 モニタリングによって乳牛の様々な変化を早期に察知し、生産性の低下を未然に防ぎましょう。

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