根室農業改良普及センター営農技術情報 平成27年6月
乳頭清拭を考える
(平成27年 6月)
暑くて蒸す時期を迎えます。大腸菌をはじめとする環境性乳房炎は増えていませんか? 乳房炎を予防するために牛床を乾燥させることや、牛体を綺麗に保つことが大切なことは、既にご存じのことと思います。しかし、施設の構造上、これらを綺麗に保つことが困難な場合もあります。そのような場合、搾乳時の清拭作業により乳頭を綺麗にすることが極めて大切になります。 乳頭を丁寧に拭くという行為は、牛に対して「これから搾乳するよ」という強い搾乳刺激にもなります。 |
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1 フィルターソックスの汚れを確認しましょう | |
フィルターソックスが汚れている農場では体細胞数が高い傾向にあります(図1・写真1)。さらに、この場合、生菌数も高くなります。 搾乳中にエアの混入やユニットの脱落が少ない場合、フィルターソックスの汚れは、乳頭に付着し、清拭作業で拭き取れなかった汚れ(主にふん)か、乳房炎牛を搾乳したときのブツです。 主にふんが付着している場合、その汚れの程度は、清拭作業の良し悪しを判断する材料になります。搾乳後にフィルターソックスの汚れの程度と、その内容物を確認し、ふんで汚れているのであれば、より丁寧な清拭作業を心掛けて下さい。 |
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図1 フィルターソックスの汚れと体細胞数 |
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写真1 フィルターソックスの汚れ |
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2 乳頭の拭き方 | |
乳頭清拭作業は2工程あります。一つは乳頭側面、もう一つは乳頭口の清拭です。乳頭側面はねじるように拭きます。乳頭口はこするように拭きます(写真2)。とくに乳頭口をより丁寧に拭くことは、乳牛にとってより強烈な搾乳刺激になります。 | |
写真2 乳頭清拭は2工程ある |
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3 清拭方法と拭き取りの効果 | |
表1は、ふん尿で汚れた乳頭の除菌効果が清拭方法によってどれだけ違うかを比べた試験結果です。プレディッピングの実施で除菌効果は6倍になりました(4と5の比較)。さらにプレディッピングを実施しても、乾燥した紙タオルよりも脱水した布タオルで拭いた方が4倍(2と5の比較)、さらに拭き取り回数を増やすことで、除菌効果が飛躍的に向上しました(5と6の比較)。この試験から言えることは次のとおりです。 |
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表1 清拭方法と乳頭付着汚れの除去効果 (根釧農試2002) |
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