根室農業改良普及センター営農技術情報 平成28年12月

 

 

根室農業改良普及センター営農技術情報   平成28年12月


 

冬期間の牛舎内の換気対策                               
                                             (平成28年12月)

 

 

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 牛舎を閉め切りがちになる冬がやってきました。ほとんどの農場では牛が一日中牛舎で過ごすことになります。
 夏期間の暑熱対策と同じように冬期間の牛舎環境としての「換気」を今いちど確認し、快適な牛舎環境から生産性を維持しましょう。

冬こそ換気が大切

 牛の呼気やふん尿からの水分、炭酸ガス、アンモニア、ホコリなどで、牛舎内の空気はすぐに汚れます。このとき換気が不十分だと、次のようなことが起こります。
湿度が上がることで天井や窓に結露が発生し、常に牛舎内が湿潤になります。
牛舎内の湿度が上がり、牛床が乾きにくくなり、乳房炎の原因になります。
アンモニア濃度が上昇し、呼吸器病の原因になります。特に若い牛では影響が大きくなります。

 
【つなぎ牛舎の場合】 
 換気扇は回っていますか?
  冬の換気にこそ換気扇が有効です。常にゆっくり回して牛舎の換気を行いましょう(写真1)。
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 写真1   常時、換気扇をゆっくり回して排気する

 
 換気扇を回すだけでは汚れた空気は有効に排出されません、新鮮な空気を取り込むため、給水設備が凍らない程度に窓や扉を開閉しましょう。
いちど窓を閉め切ると結露で窓が凍り付き、一冬中開けられなくなるおそれがあります。また、換気扇のない牛舎でも、暖かい日中は窓や扉をこまめに開け閉めして、できるだけ空気の入れ替えに取り組みましょう。
 
【フリーストール牛舎の場合】 
牛舎は閉めきらないように!
  汚れた空気(牛の体温で暖まった空気)は上昇し、屋根の開口部から排出されます(図1)。
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 図1   フリーストール牛舎の空気の流れ

 屋根の開口部は閉めきらないようにしましょう。屋根の開口部を開放すること(排気)と同時に重要なのが、新鮮な空気を取り込むこと(入気)です。
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 写真2   牛舎側面のカーテン上部を開けて入気する

 牛舎全体の空気を入れ換えるためには、入気部分はできるだけ牛舎の長さいっぱいに細長くする必要があります。牛の体に直接風が当たらないよう側面のカーテン上部などを少し開けて新鮮な空気を取り込みましょう(写真2)。
 
 厳冬期になる前に牛舎が換気できるかを見直して、生産性の維持につとめましょう。 
 

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