平成19年度酪農技術の再点検05根室農業改良普及センター北根室支所

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5  繁殖の良い農家の管理のポイント

 

繁殖成績の良い農家は図1のことを意識し、実践していることがわかりました。

 

 (1)牛が発情行動を示す

  発情を発見し受胎させるためには、「牛の発情が予定どおり来る」ことが必要です。成績の良い農家では、飼養管理技術の水準が高く、分娩前後の管理をしっかりとしていることから、卵巣と子宮の回復も順調に進み、牛が明確な「発情兆候」を示しています。

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図1 優良農家の共通点

 (2) 早期発見  
  繁殖成績の良い農家では、乳牛の「発情」「再発情」の2つを発見するために「発情兆候をいつ見るか、何を見るか」が決められていました(図2)。
 また、繁殖管理の全体について把握している責任者がいることも共通しています。
 

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図2 発情発見(観察)の実施事例
 (3) 初回授精日数(早く付ける)
  成績の良い農家では、「初回発情」とそれに続く「2回目の発情」を特に注意して確認しています。この発情を確実に発見し授精することで、初回授精日数が短くなり分娩間隔1年1産を達成しています(図3)。
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図3 初回受精の開始と平均初回授精日数
 (4) 正確な記録
 成績の良い農家には、繁殖に関わる情報を記録する習慣がしっかりしていました。「どんな情報を」「誰が」「どのように(何に)」記録するかが発情を見つけ出し授精するカギとなっています。(図4)
 

記録内容 

条件 

記録媒体 

 
 過去 分娩月日
発情
授精 
 現在 発情状況
授精
 未来 発情予定
授精予定
分娩予定
乾乳予定
 

明瞭 

明解 

継続性 

記録が容易 
全牛の把握 
要注意牛の
抽出が容易 
 

ブリーディング
カレンダー 

繁殖管理盤 

黒板
(ホワイトボード) 

パソコン 

ノート・自作台帳 

携帯電話 

図4 繁殖管理の記録システム

 

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