平成19年度酪農技術の再点検11根室農業改良普及センター北根室支所

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 11 粗飼料が変わったら要注意!

 

 春~初夏にかけては、粗飼料の品質、採食量の給与割合の変化により、給与飼料中の栄養バランスが変化しやすい時期です。給与粗飼料を変更したときは、乳量・乳成分の低下や牛の体調が変化する前に併給飼料の使い分けを検討しましょう。 

 

(1) 粗飼料の給与割合の変化 

 春~初夏にかけて起こり得る主な給与飼料の変化は次のとおりです(図1)。
 濃厚飼料の給与割合を増減して対応しましょう。

 
 

舎飼い時のサイレージ給与  ←→  放牧草    

         1番草の多給  ←→  1、2牧草の併給   
      (1番草の貯蔵残量の減少による2番草の給与)   

       コーンサイレージの給与  ←→  グラスサイレージのみの給与
              (コーンサイレージの貯蔵残量の減少によるもの) 

 図1 春~初夏の給与飼料の変化 

 
  •  コーングルテンフィード・大豆粕
  • ルーサンペレット・春先の放牧草
  • 春先の放牧草・2番草

図2 溶解性タンパク割合の高い飼料

 
  •  コーン(圧ぺん・粉砕)
  • 小麦
  • 小麦(圧ぺん・マッシュ)   

図3 エネルギー割合の高い飼料

 
 (2) サイレージから放牧草への変更時 

 図4はA農家の放牧期と舎飼期の個体のMUNと乳タンパクの動向です。
 放牧草はサイレージよりもタンパク割合が高く(表1、表2)、 A農家では給与飼料中のタンパク濃度が高くなっていることが推測できます。
 タンパク過剰の兆候がある場合、配合飼料をタンパク割合の低いものに変更するなどして対応しましょう。

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図4 舎飼後期から放牧前期へのMUNの変動の様子

    (青-4月舎飼い期  赤-6月放牧期  

 表1 放牧草の栄養価の推移 乾物中% 根釧農試、1998

 

   5月  6月  7月  8月  9月  10月  平均
 CP

 26.6

 21.8

 20.9

 23.0

 25.0

 22.0

 22.8

 TDN

 77.4

 77.2

 73.7

 71.4

 69.3

 68.4

 72.3

 

表2 ホクレン分析平均値 乾物中% 平成18年3月~平成19年3月

 

 

 CP

 TDN

 イネ科主体サイレージ1番草

 11.71

 59.25

 イネ科主体サイレージ2番草

 14.81

 61.27

 コーンサイレージ

   7.99

 67.69

 

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