平成19年度酪農技術の再点検13根室農業改良普及センター北根室支所

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 13  良質サイレージを作る四つのコツ

 

 良質なサイレージを確保するため四つのコツは、(1)適期刈取り(2)適正な切断長(3)水分調整(4)鎮圧と密封です。

 

(1) 適期刈り取り

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 良質の原料草を確保するためには、刈取り時期が重要なポイントとなります。(図1)
 このため、乾物収量と栄養価のバランスの良い「出穂始から出穂期」に収穫できるように心掛けましょう。早生品種(ノサップ)主体の場合は、6月22日から、中生品種(ホクエイ)主体の場合は、6月29日からの約10日間が刈取り適期となります。普及センター作況調査では、出穂状況と作業期を比較すると図2のとおり、やや刈り遅れ気味の実態となっています。食い込みの良いサイレージを収穫するためには、刈取り時期を一週間早めるか、中生品種を主体とする草地構成に切り替えていく必要があります。 

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図2 チモシーと出穂時期と収穫作業の進歩

 

(2) 適正な切断長

 細断サイレージがルーメンマットを形成するためには、2.5cm以上の長さのものが25%程度含まれていることが必要です。切断長が短すぎるとルーメンマットの形成に障害をおこし、逆に、長すぎると鎮圧が難しく不良発酵の原因となってしまいます。収穫時に2~3回切断長が適正かチェックし、必要であれば研磨、調整をしましょう。

 

(3) 水分調整

バンカーサイロの場合は原料草の水分60~70%に予乾します。この水分調整により乳酸発酵を行うための糖含量が3~4%確保されます。また、酪酸菌が70%以下の低水分状態では増殖しにくいことから酪酸発酵の抑制にもなります。天候が悪い場合は、ギ酸等の添加剤の利用も検討が必要です。

 

(4) 鎮圧と密封

 

 鎮圧は十分行い、余分な空気を追い出すことが大切です。空気が多く残ると、原料草の呼吸による養分ロスや、好気性菌による不良発酵で栄養価や嗜好性が低下します。鎮圧は十分に行いましょう。  q13fig3.jpg 

 

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