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16 適正な除草剤散布で雑草を退治しよう
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ギシギシの多い草地が目立っています。そのまま放置しておくとどんどん増殖してしまいます。維持草地、更新草地や植生によって除草剤を使い分け、確実に退治しましょう。 |
(1)維持草地
植生や散布時期によって表1のようにアージランとハーモニーを使い分けてください。
ハーモニーは夏に散布できますが、クローバに薬害が生じます。クローバの少ない草地やアルファルファ草地の夏・秋処理にはハーモニーを、クローバの多い草地にはアージランの春か秋処理を行います。(表2)
除草剤は葉から吸収されます。どちらの場合も、ギシギシの葉が3~4枚に開いた時期に散布してください。
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写真1 牧草地のギシギシ
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表1 草地でのギシギシに対する除草剤の選択
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維持草地
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春・新播草地
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春
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夏(一番草後)
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秋
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秋
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マメ科率 |
多い |
アージラン
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-
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アージラン
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アージラン
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少ない |
-
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ハーモニー
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ハーモニー
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-
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表2 維持草地でのギシギシへの除草剤使用量
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アージラン処理
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ハーモニー処理
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対象草地
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マメ科混播草地
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イネ科単播草地
アルファルファ草地
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使用時期
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ギシギシの栄養成長期
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夏処理および秋処理
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春処理
5月上~下旬
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秋処理
10月上~中旬
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採草・放牧21日前まで
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10a当薬量
(水量100リットル)
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維持草地 |
200~300ml
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300~400ml
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3g
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新播草地 |
-
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200~300ml
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※ハーモニーに散布に使用した器具やタンクは、専用の洗浄剤で洗い、他の用途で使用した時に薬害の原因にならないようにして下さい。
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(2) 更新草地(春播種の場合)
秋起こしを行い、翌春に播種を行う場合、耕起前に除草剤を散布する方法(前植生処理)と耕起後に散布する方法(播種床造成処理)があります。シバムギやリードキャナリーグラスなどの地下茎型イネ科雑草が多い場合は前植生処理が、ギシギシ類の多い場合は播種床造成処理が有効です。
更新前に雑草の種類を確認して処理方法を決め、図1の作業手順を参考に作業を進めてください。播種床造成処理をする場合は、播種前年中に耕起、整地・鎮圧まで行い、播種できる状態で越冬します。翌春、雑草が生えそろったら除草剤散布、播種を行います。
除草剤の使用量は表3、4を参考にしてください。
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※あくまで目安です。生育を見て期間を調節します。
図1 作業手順(春播種の場合)
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表3 前植生処理の場合の除草剤必要量
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主な対象雑草
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地下茎型イネ科・広葉雑草
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ギシギシ類
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フキ類
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薬量
(ml/10a)
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水量
(リットル/10a)
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薬量
(ml/10a)
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水量
(リットル/10a)
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薬量
(ml/10a) |
水量
(リットル/10a)
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薬
剤
名 |
ラウンドアップ
(多量散布) |
250~500 |
50~100
(濃度0.5%) |
500~700 |
50~70
(濃度1%) |
800~1000 |
80~100
(濃度1%) |
ラウンドアップ
(少量散布) |
250~500 |
25~50※ |
500~700 |
25~50※ |
800~1000 |
25~50※ |
タッチダウン
(多量散布) |
400~600 |
80~100 |
400~600 |
80~100 |
800~1000 |
100 |
タッチダウン
(少量散布) |
400~600 |
25~50※ |
500~700 |
25~50※ |
- |
- |
※ 散布の際には少量散布専用ノズルを使用してください。
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表4 播種床造成処理の場合の除草剤必要量
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主な対象雑草 |
すべて |
薬量
(ml/10a)
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水量
(リットル/10a)
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薬
剤
名 |
ラウンドアップ |
250~500 |
25~50※
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タッチダウン |
200~400 |
25~50※
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※ 散布の際には少量散布専用ノズルを使用してください。 |
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~~除草剤散布時のドリフト(飛散)に注意~~
風による飛散や前回使用時の残留除草剤が混入する場合がありますので、除草剤の使用時には次のことに注意しましょう。
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- 風の向きに注意し、風の強いときは散布しない
- ラベル記載の使用濃度・量・方法を厳守する
- 散布機械・器具の適正な使用
- 残農薬、空容器の適正処理
- 前回使用した薬液が残らないように、機械の洗浄を十分に行う
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