平成18年度 グラスランド2 家畜ふん尿の肥料成分の把握と活用

 

 p00.gif    平成18年営農改善資料
    発行:北根室地区農業改良協議会
    編集:根室農業改良普及センター北根室支所

 

〔家畜ふん尿の特性と活用〕 

6 家畜ふん尿の肥料成分の把握と活用 

 家畜ふん尿の肥料成分は、実際には処理形態(堆肥、スラリー、分離液)、敷料の量、雨水の混入度合い等により大きく異なります。
 このため、肥料成分を把握することがふん尿を有効活用する上で大変重要になります。
 
肥料成分を把握する方法には、以下の3通りあります。
(1) 標準値を用いる方法
 表6は、堆肥、スラリー、尿について多くの分析値を基に「肥効率」を勘案し計算した標準的な値です。このため、分析値が無い場合は、この値をそのまま活用できます。(表6)
堆肥の例:堆肥を10a当たり3t施用した場合

○表6から、堆肥により供給される養分を計算すると
 ・ 窒素とリン酸は3kg/10a供給される。 [1kg/t×3t/10a ]
 ・ カリは9kg/10a供給される。     [3kg/t×3t/10a ] 

表6 有機物施用に伴う施肥対応(火山性土)

 
牧草に供給される肥料成分量(kg/t、原物中)
窒  素 リ ン 酸 カ  リ
 堆  肥   1.0(0.5)  1.0(-)  3.0(-)
 スラリー   2.0( - )  0.5(-)  4.0(-)
   尿   5.0( - )   --- 11.0(-)
                                         *( )内は翌年の残効  平成元年 北海道農政部
 
(2) 乾物率と電気伝導度より回帰式から推測する方法

 この方法は、ふん尿の乾物率と電気伝導度を測定し、各肥料成分の回帰式から推定するものです。比較的容易に測定できるため、普及センターでも測定可能です。


 分析値を利用する場合は、分析値にふん尿の形態別の肥効率や施用時期など、幾つかの補正係数を勘案して用います。(詳しい内容は次ページを参照)

 
(3) 実測する方法
 科学的な分析機器を備えた分析室で、実際の値を測定します。測定は、やや煩雑で分析値が出るまで期間を要します。分析値の利用方法は(2)と同じです。
 

 

 

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