平成18年度 グラスランド2 雑草対策 雑草の侵入経路

 

 p00.gif    平成18年営農改善資料
    発行:北根室地区農業改良協議会
    編集:根室農業改良普及センター北根室支所

 

〔雑草対策〕


3 雑草の侵入経路 

 
(1) 根からの繁殖
  リードカナリーグラス、ケンタッキーブルーグラス、シバムギなどの地下茎雑草は、図3のように根からも広がるため、一度侵入すると広範囲に生育します。
 切断根からも再生するため、耕起などの作業は増殖の機会となります。
 ギシギシ類は、図4のように、浅いところの切断根からも再生し増殖します。

草地更新時の徹底した除草対策が必要

除草剤の活用 

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図 3 地下茎の分げつ模式図
 

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図4 根からの再生模式図 

(2) 種子からの繁殖
 雑草種子の大部分は、光が当たると発芽する性質を持ち、光のない状態では、休眠し長期間発芽能力を保ちます。
 ギシギシ類では20年間土中でも発芽能力を持ちます。
 土壌中の種子を根絶するのは困難なため、絶対数を低下させる対策が重要です。  
 草地への侵入は、以下の経路が考えられます。 
○結実前の掃除刈り

○除草剤の活用
(ギシギシ類は経年草地でも活用できる) 

 

 

ア 飛散によるもの 

 草地周辺の雑草から、種子が飛散したり、風で飛ばない種子でも降雨によって流れ込むこともあります。
 草地周辺の雑草には注意が必要です。

 
 イ 土壌中の種子によるもの

  土壌中の種子は写真5のように、特に、草地更新時に問題となります。
 シロザ、ハコベ、タデなどが繁茂すると牧草の生育を阻害します。
○草地更新時の除草対策
「除草剤の活用」

○種子結実を防ぐ対策
「結実前の刈り取り」

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写真5 新播草地と雑草

 ウ 家畜の糞によるもの
  雑草種子はふん尿中でも発芽能力があります。 
 このため、堆肥散布や放牧などにより雑草種子は草地に侵入します。
 写真6はふん尿中に存在した雑草種子(ギシギシ)の発芽試験です。
 また、図5は堆肥1t当たりの出芽本数を幾つかの堆肥サンプルで調査したものです。
 多いものでは8~10万本/tにもなり、絶対数を減らす対策が必要です。

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写真6 ギシギシ発芽試験

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図5 雑草の出芽本数
 

○堆肥化の促進

○雑草種子を結実させない
(除草剤の活用)
(掃除刈りの実施)

 

 

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