平成18年度 グラスランド2 雑草対策 雑草対策

 

 p00.gif    平成18年営農改善資料
    発行:北根室地区農業改良協議会
    編集:根室農業改良普及センター北根室支所

 

〔雑草対策〕

 

4 雑草対策 
雑草の侵入経路から考えると、次の対策が必要です。
 ○ 雑草種子の侵入を防止する。
 ○ 雑草を増やさない。
 ○ 生えているものは枯らす。

 

(1) 経年草地の維持管理

 

ア 裸地を作らない

 

 雑草は光が当たると発芽する性質をもっているため、裸地があると簡単に侵入します。極力、裸地を作らない管理を行いましょう。 図6のような場所は、特に、裸地化しやすいので注意が必要です。ロールベール等は長期間、草地に放置せず早期に収納して下さい。
  

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図6 裸地化しやすい場所

イ 牧草の生育阻害の防止

 

 採草地では刈り遅れると下草がムレて、特に、クローバが死滅する場合があります。このような状況では、牧草の密度が低下しますので、雑草が侵入しやすくなります。
 裸地対策として、シロクローバを適正に維持することが重要です。
 図7のように、刈取時に刈り高が低かったり、段差などで根に損傷を与えた場合も、牧草の再生力が低下し、雑草が侵入しやすくなります。

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図7 刈取時の注意点

 

ウ 雑草種子を結実させない

 

 雑草は一般的にチモシーより生育が早いため、刈り遅れると結実し種子からの繁殖が容易になります。雑草種子が結実する前に刈り取りましょう。

 

エ 適正な施肥

  牧草は通常、雑草より再生力が弱く適正な肥料養分が供給されないと、雑草との競合力が低下します。このため、肥料養分が少ない草地では雑草が優先しやすくなります。また、種子から発芽する雑草は発芽に光を必要とするため、的確な肥培管理で牧草密度を高めておくと、雑草種子の発芽を抑制できます。
 

オ ふん尿散布時の注意

 

 堆肥は「糞の塊」が多いと、局部的に牧草が消滅し裸地が発生します。散布方法の改善やパスチャーハローを活用して下さい。
 液状の糞尿は、散布始めや散布機械の旋回場所が過剰散布となり、牧草が死滅し裸地化するので注意が必要です。

 

カ 除草剤による駆除

 ギシギシ類は、牧草生育期間中でも除草剤による駆除が可能です。
 
 (2) 堆肥からの雑草種子侵入
  種子は、高温状態に弱い性質を持っており50~60℃の温度があれば多くの雑草種子は死滅し発芽能力を失います。堆肥の場合は、切り返しの際に条件が整うと50~60℃以上の高温が期待できます。

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図7 水分含量を異にした牛糞の発酵温度

                                   (新得畜試 1998)

 (3) 新播草地の雑草

 

 新播草地の雑草対策は、今のところ播種床造成処理が最も効果的だと思われます。しかし、播種床造成処理ができなかったり、行っても雑草が生えてきた場合は掃除刈りが必要です。
 せっかく手間とお金をかけた草地ですから、適期に効果的な掃除刈りを行って雑草対策を行いましょう。

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  • 掃除刈りの時期
     通常播種後40~60日後、雑草が
     20~30cm位が目安です。
  • 刈り取り高さの調整
     刈り取り高さは15cm以下が目安です。
     高すぎると雑草の再生が早く効果が落ちます。
     また、低すぎると牧草の生長点を切断し
     牧草の再生が遅れます。
  •  刈り取り草の持ち出し
     刈った草は、そのままにしておくと牧草を覆い
     日陰を作るため、再生が遅れます。
     刈り取った草は速やかに草地外へ 持ち出しましょう。
  • 機械の刃をしっかり研ぐ
     切れ味の悪い刃で牧草を引っ張るように刈ると根にダメージを与え、牧草の再生が遅れます。

 

 

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