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大型機械や共同作業、作業委託の導入で酪農家戸々の収穫期間は大幅に短縮されてきています。しかし、地域全体で見ると1番草の収穫期間は一ヶ月近くかかっています。 |
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(1) 刈取時期別の栄養価 | ||||||||||||||||||||
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牧草の収量や栄養価は、生育ステージによって大きく変動します。牧草の生育ステージが進むとCPやTDNは低下し、繊維は増加します (表1)。生育ステージと伴に増加した繊維は乳牛に利用されづらい難消化性の繊維(ADF)が主となります。 |
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(2) 収穫作業の実際 | ||||||||||||||||||||
現在、収穫されている品種が早生種(オーロラ、ノサップ、ホクセイ)にかたよった利用の中で、地域全体での1番草の出穂期と収穫作業の平年値を表2に示しました。 |
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北根室管内では収穫始から終わりまでには約1ヶ月を要します。個別経営でも収穫期間は2~3週間を要するのが通常です。共同作業体系でも組織全体での収穫期間は同じくらいかかります。この作業期間で早生種(オーロラ、ノサップ、ホクセイ)にかたよった作付けでは、かなりの面積が刈り遅れになっています。 |
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(3) サイレージへの堆肥などの混入 |
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表3は原料草への堆肥混入がサイレージの発酵品質に与える影響について調査したものです。 この表を見ると、サイレージ全体の発酵品質は、どの区もpHが4以下、VBN/TNが7以下で発酵品質としては良質であった。しかし、堆肥混入サイレージは、フリーク評点が酪酸含量の増加によって低下しており、乳牛への給与試験でも、採食量は少なくなりました。 サイレージへの堆肥やスラリーの混入を少しでも減らすためには、10a当たりの散布量を少なくすることも大切ですが、散布から刈り取りまでの期間を少しでも長くし、草地表面での分解を少しでも進めることも重要です。 また、サイレージへの堆肥や土砂の混入を最小限にするために、牧草を高刈りにする。 バンカーサイロのエプロン、周辺の作業道路の舗装などを考える事も必要です。 |
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**堆肥混合によるフリーク評点の低下は酪酸の増加による |
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(4) 牧草中の硝酸態窒素について | ||||||||||||||||||||
北根室管内は土壌凍結が深く、春先、なかなかほ場へ入れません。そのため、どうしても早春のスラリーや堆肥散布は遅れがちで、6月に入ってからもスラリーを散布する場合も見受けられます。 硝酸態窒素は、牧草体内でエネルギーを使って蛋白質に再合成され牧草の成長に使われます。 そのため、散布から再合成に使われるまである程度の期間が必要です。その期間は、散布量や散布後の気象条件によって変動しますが、根室管内では最低1ヵ月できれば1ヵ月半は必要です。 春先の散布時期を早められないのならば、中生種や晩生種を導入して、栄養価を落とさずに刈り取り時期を遅らせる事を考えていく必要があるでしょう。 |
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図1 尿施用量と牧草1番草中硝酸態窒素含量 ※尿は春先に全量施用 (新得畜試1998) |
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