北方墓参
北方領土はロシアの不法占拠下にあり、私たち日本国民が、ロシアのビザを取得して北方領土へ渡航することは、北方領土がロシアの領土であることを認めることに繋がります。
そのため、日本政府は、「我が国国民の北方領土入域問題について」(1989年閣議了解)により、国民に対して北方領土問題の解決まで、北方領土への訪問は行わないように要請しています。
現在、北方領土への入域は、日露政府間で特例として認められた3つの枠組み(四島交流、北方墓参、自由訪問)に限られています。
なかでも北方墓参は、北方領土問題とは別に、人道的観点から元島民たちが、旅券・査証なしの簡単な身分証明書により、先祖の眠る北方四島を訪れ、お墓参りすることを目的として実施しているものです。
北海道の主催により、昭和39年から実施され、途中中断はありましたが、通算で42回(年)、北方四島に52か所ある墓地すべてで墓参をし、令和元年度までに延べ参加者数は、4,851名(うち遺族3,710名)に達しています。
【訪問の対象者】
北方領土の墓地等に埋葬、納骨されている物故者の親族
令和元年度実施状況
日 程 | 島名及び訪問地名 | 墓参者数 | |
第1班 | 6月15日~6月17日 | 国後島(ニキシロ、ブニ、オタトミ、ポンキナシリ) | - |
第2班 | 7月18日~7月20日 | 択捉島(ウエンバフコツ、内保、ペケンリタ、オダイベケ) | 51 |
第3班 | 7月26日~7月29日 | 水晶島(茂尻消、ボッキゼンベ、秋味場) 色丹島(能登呂、キリトウシ、相見崎) |
49 |
※第1班は悪天候のため中止になりました。
※第2班は当初計画では、ウエンバフコツ、内保を墓参する予定でしたが、外交当局間の調整がつかず、内保沖で合同洋上慰霊を実施しました。オダイベケは強風のため上陸できず、洋上慰霊を実施しました。
※第3班は能登呂、キリトウシは悪天候のため上陸できず、相見崎にて合同慰霊を実施しました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
航空機を利用した特別墓参
平成28年12月の日露首脳会談において合意された事項で、高齢化している元島民の方々の身体的負担の軽減を図るという人道的観点から、交通手段として航空機を使用して墓参を行うもので、平成29年から実施されています。
今年は近年訪問が制限されていた3墓地において墓参を実施することができました。
【訪問の対象者】
北方四島の墓地等に埋葬または納骨されている物故者の親族
令和元年度実施状況
日 程 | 日 程 | 墓参者数 |
8月10日~8月11日 | 国後島(泊) | 39 |
択捉島(留別、ポンヤリ) | 28 |
※四島交流等の様子がわかる「デジタル展示会」と「北の隣人2019」もぜひご覧ください!