エコスクール・地球環境モニタリングステーション-落石岬見学会とは
根室振興局では、子どもたちが地球温暖化やゼロカーボンなどについての理解を深め、環境と人間の関わり、環境保全や地球温暖化対策の重要性を学ぶ場を設けることを目的として、国立研究開発法人国立環境研究所のご協力の下、根室市と共催で、地球温暖化について学ぶ環境学習会並びに地球環境モニタリングステーション-落石岬への施設見学会を実施しています。
地球環境モニタリングステーションとは、地球温暖化の原因にもなる「温室効果ガス」の観測を行う、国立環境研究所が設置している施設です。国内には、北海道根室市の落石岬と沖縄県波照間島の2カ所にあります。
全国に2カ所しかない貴重な施設の1つが、ここ根室市にあることから、地元の子供たちに対して、国立環境研究所の職員から地球温暖化についての講義やステーション内の案内、施設の説明をしていただいています。
本行事は1998年から実施しており、例年、近隣の小学校の子どもたちが参加しています。
令和7年度(2025年度)
令和7年度(2025年度)は、5月13日(火)と6月3日(火)の2日間に行程を分けて実施し、根室市立海星学校と根室市立おちいし義務教育学校の5,6年生 計11名が参加しました。
本年度は、環境学習会をオンラインで実施し、また別日にて現地での施設見学会を実施したほか、授業全体のふりかえりとしてグループワークの時間も設けました。
(1)環境学習会
5月13日(火)には、各学校と国立環境研究所(茨城県つくば市)とをオンラインでつなぎ、後日実施する施設見学会に向けた事前学習として、環境学習会を実施しました。
地球温暖化の原因やメカニズム、地球環境モニタリングステーションの概要や当施設での観測結果について、国立環境研究所の職員から説明を受け、また授業終了後には、参加児童から地球環境についての質問がいくつか挙がり、児童と国立環境研究所の職員との間で活発なやり取りが行われました。
○ 当日の様子(左から「海星学校」「おちいし義務教育学校」)
(2)施設見学会
6月3日(火)には、両校の児童が集合して地球環境モニタリングステーション-落石岬へ向かい、現地での施設見学会を実施しました。
現地では、児童が2班に分かれて、国立環境研究所の職員から施設内の設備についての解説を受けたほか、それぞれ簡単な実験と研究事例の紹介を受けました。
実験では、海水が二酸化炭素を吸収することを、また研究事例の紹介では、地球環境モニタリングステーションで取られたデータが実際どのように活用されているのかをそれぞれ学びました。
○ 当日の様子
(3)ふりかえり
施設見学会の終了後は、参加児童全員がおちいし義務教育学校まで集合し、授業全体のふりかえりを実施しました。
「身近に出来る地球温暖化対策」をテーマとして、授業を通して学んだことを踏まえ、効果が高そう、また自分たちでも実践できると思う、地球温暖化対策の取組について、グループワークを通して意見を出し合って考えました。
○ 当日の様子
令和6年度(2024年度)
令和6年度(2024年度)は6月4日(火)に実施し、根室市立海星学校と根室市立おちいし義務教育学校の5,6年生 計15名が参加しました。
本年度は、地球環境モニタリングステーション-落石岬への見学会を中止し、5,6年生合同で講師の先生方から地球温暖化について学ぶ環境学習会を実施しました。
(1)環境学習会
北海道地球温暖化防止活動推進員を講師に招き、地球温暖化とエネルギーの観点から、自分の生活に身近な家庭からの「消費電力」をテーマに、講義と体験型学習を実施しました。
自分たちの生活と地球温暖化が密接に繋がっていることを学び、地球温暖化の進行を抑えるために、自分たちが生活の中でどんなことができるのかを考えました。
○ 当日の様子
(2)施設見学会(※現地から中継)
地球環境モニタリングステーション-落石岬を管理している国立環境研究所の職員を講師として、地球環境モニタリングステーションの役割と、その施設が位置している「落石岬」の特性について、教室で説明を受けました。
今回は残念ながら、現地まで行っての施設見学会は中止になってしまいましたが、ステーションまで行くことが出来なかった代わりに、現地からオンラインで中継を繋ぎ、カメラ越しではありましたが、実際の測定機器を映しながらの説明も受けることが出来ました。
○ 当日の様子
行事実施に伴う「温室効果ガス」の排出について
行事内において、子どもたちを学校や施設まで送迎するときにガソリン車を使用するため、本行事の実施に当たっては「温室効果ガス(二酸化炭素)」が排出されてしまいます。
そこで、本行事内で排出された温室効果ガスについては、J-クレジット制度(※1)を活用することによってカーボン・オフセット(※2)することとし、環境学習の授業の実施と合わせて、温室効果ガス排出削減の取組を推進しています。
※1
「J-クレジット制度」とは、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用による温室効果ガスの排出削減量や、適切な森林管理による二酸化炭素吸収量を、クレジット(J-VER)として国が認証する制度
※2
「カーボン・オフセット」とは、自身で排出した温室効果ガスのうち、どうしても削減できない量の全部または一部を、ほかの場所での排出削減・吸収量をもってオフセット(埋め合わせ)すること