ゼロカーボン学習について
根室振興局では、令和5年度から学校教育を通じて若者世代にゼロカーボンについて伝え、考えてもらう「ゼロカーボン学習」を実施しています。
ゼロカーボン北海道は2050年までに温室効果ガス実質ゼロを達成することとしています。
今の学生たちが大人になり、社会に出た際にゼロカーボンについて考え、取り組むきっかけとするため、本学習に取り組んでいます。
令和5年度(2023年度)
羅臼高校におけるゼロカーボン探究学習
【概要】
羅臼高校にご協力いただき、羅臼町独自の地域学習の時間である「知床学」の時間に約半年間にわたってゼロカーボン学習を実施しました。
【講義・実習】(9月~11月)
講師として酪農学園大学講師の吉村氏と、同じく酪農学園大学名誉教授の金子氏に複数回にわたり講義をしていただき、ゼロカーボンとGISについて学びました。
第1回 :「ゼロカーボン」とはなにか
ゼロカーボンに関する基礎的な知識や、気候変動の影響について学びました。
第2回 :GISとはなにか
地図上に様々なデータを可視化することでデータの分析に活用することができる「GIS(地理情報システム)」について学びました。
第3回 :北海道の今と昔
GISを使って今と昔の森林の増減などを視覚的に比較しました。
第4回 :人口について
GISを使って道内市町村の将来の人口や人口とCO₂排出量の関係を調べました。
第5回 :CO₂排出量について
GISで「CO₂マップ」をつくり、分野ごとのCO₂排出量を円グラフで確認しました。
第6回 :CO₂固定量と吸収量のこと
羅臼町の森林が吸収するCO₂の量を計算し、羅臼町の森林が羅臼町のCO₂排出量を吸収しているか計算しました。
【グループワーク】(11月~12月)
学習の後半では、生徒が班に分かれ、講義を受けて学んだことをもとにそれぞれテーマを決めてゼロカーボンについて分析・考察しました。
【最終発表】(2月)
グループワークで分析・考察した内容をまとめ、2月16日に学内の報告会で発表しました。報告会では羅臼町役場、根室教育局、町内小学校の先生方にもご見学いただきました。
各班学んだことを活かして羅臼でできることや自分たちにできることを考えており、それぞれ特色が出ている素晴らしい発表でした。
☆各班発表タイトル☆
1班:北海道の人口におけるCO₂排出量
2班:持続可能な社会を目指して
3班:羅臼町のCO₂排出量
4班:羅臼町のCO₂排出量の特徴 大きな都市と羅臼を比べて
ゼロカーボン学習成果発表・施設見学
【概要】
学内の報告会の結果から3班を代表として選出し、札幌でゼロカーボン学習成果発表会を実施しました。
代表生徒は学外でゼロカーボン学習の成果を発表した後、ゼロカーボン関連施設を見学しました。
①ゼロカーボン学習成果発表
代表生徒として選ばれた3名が最終発表のテーマである「羅臼町のCO₂排出量」について、漁業が盛んな羅臼ならではの視点で今後羅臼のゼロカーボンをどう進めていくべきかについて発表しました。
当日は北海道のゼロカーボン担当課職員や環境財団職員、が高校生の発表を聞き、質疑応答では高校生の発表への感想のほか、学んだことを今後どう広げていくべきかの助言も得ることができ、高校生の知見を広げる機会となりました。
②北海道コカ・コーラボトリング札幌工場見学
学習成果発表の翌日、北海道経済部ゼロカーボン推進局地球温暖化対策課と連携してCO₂見える化アプリのダウンロードキャンペーンを実施している北海道コカ・コーラボトリング札幌工場見学を実施しました。工場への移動は水素タクシーを利用。初めて水素自動車への乗車を体験し、乗車後は「意外と静かだった!」などの声が上がりました。
工場では飲料の製造過程を見学したほか、使用済みペットボトルが100%リサイクルペット素材のボトルになるまでの流れなどの説明を受け、コカコーラが取り組んでいる環境に対する活動について学びました。
③エア・ウォーター移動式水素ステーション札幌見学
コカコーラ工場見学後は、水素自動車に水素を補給するエア・ウォーター移動式水素ステーション札幌を見学。
水素自動車の仕組みを説明していただき、実際に水素を補給する様子を見学しました。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました!