エキノコックス症とは
エキノコックスは、キツネなどを終宿主とする寄生虫の一種です。
単胞虫と多胞虫の2種類があり、北海道のものは多胞性のエキノコックスです。成虫と幼虫がいますが、成虫は主としてキツネに、幼虫は野ネズミに寄生しています。成虫は卵をつくりますが、その卵が何らかの機会にヒトの口に入ると、腸で卵から幼虫となり、主に肝臓に寄生し、エキノコックス症という病気を引き起こします。
正しい知識があれば感染を予防することができます。
どのように人に感染するのですか
エキノコックス症の感染率は他の病気に比べ高くありませんが、卵が口に入ってしまった場合に感染することがあります。エキノコックスが寄生したキツネやその糞に直接さわったり、糞に汚染された山菜や沢水を口にすると感染の危険があります。
人から人や、ブタや野ネズミから人に直接感染することはありません。
※一口メモ
成虫が寄生する動物:キツネ・犬など
幼虫が寄生する動物:野ネズミ・ブタ・人など
エキノコックス症ってどんな病気
エキノコックスが主に肝臓に寄生して起こる病気です。人の体の中では、幼虫のまま肝臓の中で少しずつ大きくなっていきます。
エキノコックスが寄生しても、すぐには自覚症状はなく、数年から数十年の長い潜伏期間があります。日常生活に支障がないために治療の時期を遅らせてしまうことにもなります。
感染 | 卵が体内で幼虫となり寄生 |
第一期 (潜伏期) |
○数年か十数年位無症状の時期が続きます。 ○肝機能は正常域です。 ○血清検査でしばしば陽性。 ○腹部超音波検査、CT検査などで肝臓の病巣が認められます。 |
第二期 (進行期) |
○5年から10数年位経過。 ○初めのうち、肝機能は正常域です。 ○肝腫大に伴う上腹部の膨満・不快感などの不安定症状が出ます。 |
第三期 (完成期) |
○肝機能障害がおこります。腹部症状の増強、発熱、黄疸などの症状が出ます。 |
予防する方法は
- 外出のあとはよく手をあらう。
- 野山の果実や山菜などを口にする場合は、よく洗うか十分熱を加えてから食べる。
- 生ゴミなどキツネの餌になるものは、きちんと保管し処分する。
「してはいけないこと」
- 沢水や小川の水など生水は飲まない。
- キツネを餌付けしたり、呼び寄せて、手で触れることはやめましょう。(キツネの体毛に卵がついていることがあります。)
- 生ゴミなどキツネの餌になるものは、きちんと保管し処分する。(キツネを人家周辺に近づけないために。)
- イヌが野ネズミを捕まえて食べないように、放し飼いは絶対にやめましょう。
※一口メモ
エキノコックスの卵は零下20度ぐらいの低温では死にませんが、熱には弱く沸騰すれば確実に卵を殺すことができます。
(100度で1分間の加熱で死滅します。)
検診はどこでやっていますか
北海道内では、一次検診は市町村が行っています。一次検診で感染の可能性があった場合は北海道が行っている二次検診を受けていただくことになります。
一次検診は市町村で計画的に行われていますので、検診を希望される方は、お住まいの市町村にご相談ください。
中標津保健所管内1次検診についての問い合わせ先
機関名 | 電話番号 |
---|---|
別海町民保健センター | 0153-75-0359 |
中標津町保健センター | 0153-72-2733 |
標津町保健福祉センター | 0153-82-1515 |
羅臼町役場福祉課 | 0153-87-2161 |
2次検診についての問い合わせ先
中標津保健所(根室振興局保健環境部中標津地域保健室)
健康推進課 保健係
0153-72-2168