黒毛和種初生牛の販売と育て方~受精卵産子編~
根室管内では乳牛への受精卵移植による黒毛和種生産頭数が増えています。今回は、市場価値の高い子牛づくりをめざして、市場の傾向を踏まえた子牛管理について確認しましょう。
1 黒毛和種初生牛の販売方法は
根室管内で生産された約50%の子牛は、初生牛市場で販売されています(普及センター調べ)。また、ホクレン根室市場で取引される子牛の頭数は年々増加しています(図1)。
図1 黒毛和種初生牛市場上場頭数の推移
初生牛市場の上場について
原則、”生後7日齢~2ヶ月齢未満の子牛"市場上場日齢は、生後40日以上が約70%を占めています。(普及センター調べ)
なお、下痢の発生や肢・ヘソの状態が悪いなどの場合、価格は低くなる傾向があります。
2 家畜市場購買者のニーズと市場成績から~有利販売のカギ~
市場での有利販売に向けて、市場購買者アンケートや市場データから見えたポイントがあります。
ホクレン根室市場の購買者にアンケート調査をした結果、"健康な牛"であることや"良好な発育"を求めており、必ずしも"血統"だけを求めている訳ではありませんでした(図2)。
図2 市場購買者アンケート結果(R3普及センター調べ)
種雄牛A産子(♂)の市場成績から、体重が大きいほど価格が高い傾向がありました(図3)。このことから、"発育の良い健康な牛づくり"が生産者には求められています。
図3 ホクレン根室市場成績(R2)
3 哺乳管理方法のポイント~黒毛和種受精卵産子の育て方~
初生牛市場で販売する場合、短期間の勝負になります。ホル雄や交雑種と比べると"生時体重が小さい"、"虚弱な牛が多い"点で、下痢をさせずに発育の良い牛づくりをするためには高度な飼養管理技術が求められます。子牛の管理で困った場合、下記の管理ポイントを参考にしてください(表1)。
表1 哺乳管理方法のポイント
上手な黒毛和種子牛の管理のために農場で最適な方法を見つけて、市場購買者に求められる牛づくりを目指しましょう。