根室農業改良普及センター刊行物 うしやの醍醐味 カッテージチーズ

カッテージチーズ

画像カッテージチーズ

 脱脂乳または全乳で作る熟成させない代表的なフレッシュチーズです。

 本来は脱脂乳に乳酸菌と少量のレンネットを加えて発酵させた後、徐々に加温してホエーを排除して作りますが、家庭では酢を添加して固める作り方が一般的です。

 食塩を加えたカッテージチーズは、そのままサラダに入れたりパンケーキの生地に入れて利用します。お菓子等に利用するときは、食塩を加えないで裏ごして使いましょう。

〔カッテージチーズ;乳酸発酵タイプ〕

《 原材料(出来上がり量約100g)》

  • 牛乳・・・1リットル
  • チーズスターター(5%)・・・50ml
  • 塩化カルシウム(0.02%)・・・0.2gを湯で溶解
  • 粉末レンネット(0.0035%)・・・0.035gを2%食塩水30mlに溶く ※2%食塩水は、水200mlに対し塩小さじ1/2を溶かす
  • 食塩(好みで)(出来上がりチーズ重量の1%)・・・1g
  • アイスクリームやバター用にクリーム層を分離した後の脱脂乳でも作れます。
  • レンネットの量は好みにより加減してください。
  • レンネットはメーカーによって使用量が異なります。お手持ちのレンネットの注意書きを参照の上、適正量をお使い下さい。

《作り方~乳酸発酵タイプ》

(1)殺菌した原料乳

 『乳製品加工は衛生的に』参照

(2)冷却

 32℃まで冷却する。

 事例1:32℃を保持できない場合

 常温で発酵させることもできます。

表)発酵時間とスターターの添加量の違い
発酵温度常温(22℃)32℃
カッティングまでの時間14~16時間5時間
スターターの添加量1%5%

(3)スターター・レンネット添加

 スターターとレンネットを加える。

(4)静置

 32℃で静置すると、4.5~5時間で固まる。

(5)カッティング

 15mm角の大きさにカードを切る。ホエーが浮いてくるまで、約15分間静置する。

(6)加温

 1時間30分かけて湯煎で32℃から58℃まで、加温する。カードが壊れないように時々静かにかき混ぜる。

(7)ホエー排除

 こし布を敷いたザルにあけて、ホエーを抜く。

(8)カード粒の水洗

 ボールにカードを取り、2~3回水洗する。

(9)脱水

 ザルなどで水気を切る。

(10)加塩

 食塩を混ぜる

できあがり

 冷蔵庫で一週間位保存できる。

〔(5)カッテング・(6)加温をしない場合〕:クワルク

 カッテージチーズは、カッテングしたカード粒を壊さないでホエーを抜いたチーズですが、クワルクは固まったカードを一度かき混ぜてからこし布でつるしてホエーを抜いた、ドイツ原産のフレッシュチーズです。

《作り方~クワルクタイプ》

(1)殺菌した原料乳

 『乳製品加工は衛生的に』参照

(2)冷却

 32℃まで冷却する。

(3)スターター・レンネット添加

 スターターとレンネットを加える。

(4)静置

 4.5~5時間で固まる。

(5)攪拌

 泡立て器で攪拌し、ホエーとカードを混ぜる。

画像攪拌

(6)ホエー排除

 ザルにこし布を敷き、ホエーとカードの混合液を入れて、ホエーだけを取り除く。

(7)脱水

 冷蔵庫に吊して、さらに脱水する(1晩)。

(8)加塩

 好みで食塩を加える。

できあがり

〔手軽に出来るカッテージチーズ;酸凝固タイプ〕

《 原材料(出来上がり量約100g)》

  • 牛乳・・・1リットル
  • レモン汁または食酢(10%)・・・100ml
  • 食塩・・・適量

 アイスクリームやバター用にクリーム層を分離した後の脱脂乳でも作れます。

《作り方~酸凝固タイプ》

(1)殺菌した原料乳

 『乳製品加工は衛生的に』参照

(2)冷却

 40℃に冷却する。

(3)酸添加

 食酢またはレモン汁を加えよくかき混ぜる。

(4)静置

 40℃で15分間静置すると、カードができる。

(5)ホエー排除

 十分沈殿してホエーが透き通ってきたら布でこして、ホエーを抜く。

(6)カード粒の水洗

 カードを流水中でもみ洗いする。

(7)脱水

 十分に水気をしぼる(1晩)。

(8)加塩

 食塩を混ぜる。

できあがり

 冷蔵庫で一週間くらい保存できる。

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