草地を長持ちさせるための、追肥の効果について
チモシー採草地は、早春の施肥だけではなく1番草収穫後の追肥により永続性を高められます。今回は1番草収穫後の追肥の効果について紹介します。
1.追肥は来年の1番草収量に影響します!
チモシーは、1番草が収穫されるとほとんどの刈り残った茎葉が枯死し、収穫して7~10日目頃に新しい茎(分げつ)が発生します(写真1)。
この新しい茎が2番草を構成し、越冬して翌年の1番草を構成する分げつになります。2番草で分げつが増えると翌年の1番草の茎数が増加し、密度維持に寄与します。2番草の分げつを増やすには、1番草収穫後の施肥が効果的です。
写真1 チモシーの新分げつ
2.裸地拡大の軽減・雑草の進入防止
1番草収穫後に追肥が無いと、葉が黄緑色に変色し、斑点病などの病害が発生してしまう場合があります(写真2)。その結果、チモシーが衰退して雑草が侵入することで草種構成が悪化します。
写真2 1番草収穫後、養分不足のチモシー
3.追肥時期について
追肥タイミングが重要です。ベストは、1番草収穫後7~10日前後です。1茎重(1本の重さ)が高まることで、収量が増加します(図1)。収穫後10日頃までは、刈取り残部の貯蔵養分に依存して成長します。そのため、この期間は窒素施肥の効果が高く、窒素吸収も旺盛なので、2番草の分げつを増加させるとともに1茎重を高めて増収させる効果があります。収穫後、速やかに追肥が行えるように、早めに肥料の準備等を行いましょう!
1番草収穫後の追肥は、収量を確保し、草種構成を維持するために重要です。忙しい季節となりますが、農作業事故に十分注意して下さい。
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