牧草の高刈りについて
1番草の収穫時期が近づいてきました。今回は牧草の高刈りについて紹介します。高刈りによるメリットは「牧草の再生が早い」、「草地の植生維持」、「サイレージの発酵品質向上」です。それぞれのポイントについて解説します。
1 高刈りのメリット
(1)チモシーの再生への影響
刈り取り後のチモシーは、球茎に蓄えられた養分を使って再生します。刈り取り高が5cmだと生長点を傷つけてしまい再生を抑制してしまいます。刈り取り高5cmと10cmのチモシーの再生を比較したところ、刈り取り高が10cmの方がチモシーの再生が良いことが分かります(図1)。
図1 1番草収穫後のチモシーの生長
(2)草地の植生維持
刈り取り高が低いと、再生の遅れや枯死により株数が減少します。再生が遅れると生育の早い雑草との競合に負けてしまいます。また、株数が減少すると雑草が生えるスペースが出来てしまい植生の悪化につながります。
(3)サイレージの発酵品質
土やスラリーなど異物の混入は、サイレージ発酵品質を低下させる要因の1つです。高刈りは、土やスラリーが混入するリスクを低下させます。
2 高刈りを行うための準備
牧草の高刈りを行うための方法の1つは、モアコンディショナに通称「そり」や「げた」(商品名:ハイスキッドプレート、ハイカットスキットなど)を装着することです(写真1)。作業機によっては装着できない場合がありますので、詳細はメーカーにご確認下さい。
げたは、複数枚装着する必要があります。げたが1枚だけだと、げた部分がタイヤ跡等のくぼみに入ってしまい、高刈りしていたつもりが出来ていなかったということにつながります。
写真1 ハイスキッドプレートを装着したモアコン
※今回は高刈りのメリットと必要な準備を紹介しました。是非、高刈りに取り組んでみてください!
根室農業改良普及センターのTOPページへ
営農技術情報の目次へ