子牛の寒冷対策を始めませんか?
10月に入り、昼夜の寒暖差が激しく、朝晩は冷え込む季節となりました。子牛は、皮下脂肪が薄く、ルーメン発達も未熟(=ルーメンの発酵熱が少ない)であることから、気温13℃以下で寒冷ストレスを感じ始めると言われています。本格的な寒さがやってくる前から子牛の寒冷対策に取り組みましょう!
子牛が寒さを感じる条件
(1)広い空間、高い天井(保温できない環境)
体で暖められた空気が外に放出され寒さを感じる。
(2)直接体に当たる風
風が当たることで熱が奪われ寒さを感じる。
(3)冷えた壁
冷えた壁に近づくと冷気が伝わり寒さを感じる。
(4)冷えた床、濡れた敷料
冷たい床や敷料に直接触れて寒さを感じる。
寒冷対策のポイント
(1)寒さ対策
子牛の体にすきま風を当てない。
自分の熱を逃がさない。
子牛の体を濡らさない、汚さない。
(2)換気対策
新鮮な空気が吸える環境の整備
(3)その他
気温に対する適切なエネルギー量の確保
寒冷対策の現地事例
寒冷期に体を維持するために必要なエネルギー量は、気温が下がるにつれて増加します。気温が5℃以上ある場合、体重45kgの子牛が1日に600g増体するのに必要なエネルギー量は3,495kcalですが、その後5℃下がるごとに必要量は233kcalずつ増加します(図1)。そのため、粉ミルクやスターターの量を増やしたり、エネルギーの高い銘柄への変更、といった対応が有効です。急激なミルク濃度の変化は下痢の原因となるため、粉ミルクの増給は、新たに産まれた子牛から変更するか、ほ乳量やお湯の量を調節し、ミルクの濃度を変えないように注意しましょう!
図1 45kgの子牛が600g/日増体するために必要な カーフジャケットの着用
エネルギー量(NRC乳牛飼養標準より計算) 産まれたばかりの子牛はジャケットの上から
貼るカイロを貼っている方も...。
カップ1杯 318g カップ1杯 370g
ほ乳量3リットル/日、濃度12% ほ乳量3リットル/日、濃度13.7%
換気対策もしっかりと
屋外ハッチのメリット
夜間は柵の前にコンパネを挟み、 新鮮な空気がいつでも吸える
毛布を被せて防寒しています。 太陽の光を最大限利用できる
気温の変化に対応できるような工夫をしましょう!
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