人工授精の立ち会いをうまく活用してますか?
飼養頭数の増加や労働力不足によって業務量が増えていますね。ついつい、人工授精の立ち会いを後回しにしている方はいらっしゃいませんか?立ち会いにはメリットや大切な役割があるので、改めて人工授精について振り返ってみましょう!
メリット1 子宮や卵巣の状態を把握できる
繁殖障害の原因は乾乳期の飼養管理、分娩、泌乳期の栄養状態など多様にあります。繁殖がうまくいかない場合、表1のような症状が見られるので、人工授精師の直腸検査の結果と普段の牛の状態を情報交換して、課題を整理しましょう。
表1 繁殖障害に関する用語説明(2019年、営農改善資料より)
メリット2 授精適期のタイミングを確認できる
受胎には授精のタイミングが重要です。タイミングが遅く、排卵している場合は、受精卵の使用が可能ですが、立ち会いがなければ選択できません。
メリット3 牛群改良について相談できる
授精師は複数の農場を訪問しているため、体格など牛群の特徴に気がつきやすいので、牛群改良の相談をすると良いでしょう。牛群改良には種雄牛の情報も必要なので、台帳を用意しましょう。
重要 事故防止に努めましょう!!
酪農の農作業事故の多くは「牛舎」で起きており、「搾乳作業」や「家畜の管理」など『牛に触れる作業』によるものが74%を占めます(図1)。人工授精時も同様に事故のリスクがあります。普段はおとなしい個体でも、何かの拍子に驚いたり、見慣れない人に対して違う反応をすることもあります。
万が一に備えて、必ず立ち会いを行い、授精師の安全を守りましょう!
図1 平成25年度根室管内における農作業事故内訳
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