雇用トラブルは回避しよう
規模拡大に伴い、従業員を雇う農業が増えています。酪農現場では「作業しながら覚える」、「経験を積んで成長する」という考え方が一般的になっていますが、「従業員が仕事を覚えない」、「従業員が事故に遭いそうでヒヤッとした」など雇用主の悩みも多いのではないでしょうか?今回は事例をもとに「雇用主と従業員の認識の違い」について考えてみましょう。
~牛脱走の事例~
今回の事例は、雇用主の「当たり前なので言わなくても分かるだろう」という期待と、従業員の「突然の出来事に対応できない」、「怒られている状況下で何を質問して良いか分からない」という双方のギャップからトラブルに発展しています。
「牛を1カ所に追い込む作業」は日常的に必要な作業ですが、慣れるまでは難しく、「牛に蹴られる」、「モクシのロープに手が絡まる」など事故が起きやすい作業でもあります。事故防止と誰もが働きやすい職場作りを目指して以下のような対策を行い、雇用トラブルを回避しましょう。
事前研修
- A 乳牛の肩のラインより斜め後に立つと、前に動く
- B 乳牛の肩のラインより前に立つと、後に動く
- C 真後ろから接近すると、乳牛が振り向き別方向へ移動する
マニュアル作成
~牛が脱走した場合~
- 脱走した扉を閉める
- 社長(上司)へ連絡
- 配合で牛を呼ぶ
- ●●へ牛を追い込む
- ▲▲の扉から牛を入れる
- ・・・
ミーティングで注意喚起
大切なことは何度も復習!
雇用主「〇〇さんちで牛が脱走したらしい・・・」
従業員「戸締まり気をつけます」
雇用主「牛を追うときは、牛をどこへ移動させたいかイメージして、自分の動きを考えてね。」
従業員「はい!」
★子牛の下痢予防、乳房炎予防なども同様に、トラブルが起きる前に事前準備を行いましょう!