令和3年産サイレージの品質について
1 令和3年のチモシー生育と収穫作業について
本年は融雪が早く、萌芽期は平年よりも8日早まりましたが、チモシー1番草の出穂始と出穂期は、ほぼ平年並となりました(表1)。本年の気象は6月下旬から7月上旬にかけて雨が降らない日が連続したため、収穫作業は平年よりも1週間程度早まりました(表1、2)。
表1 チモシー1番草の生育期と収穫作業
表2 1番草収穫時の天候
2 1番草サイレージの栄養価
根室管内のサイレージ分析値(ホクレン分析)を水分含量65%以上(中高水分サイレージ)、65%未満(低水分サイレージ)に分類し、図1~6でそれぞれCP、TDN、NDFを過去3年間で比較しました。
令和3年産の中高水分サイレージは、CP、TDNともに令和2年産よりも高く、NDF(繊維含量)は低い傾向となっています。
また、低水分サイレージも同様に栄養価は高い傾向にあります。令和3年は令和元年に似た気象経過でしたが、CP・TDNともに令和元年よりも高い分析データが見られます。本年は収穫始が早かったことから、早期収穫が実践されたラップサイレージは、高栄養価なサイレージに調製されたと思われます。
図1 中高水分サイレージのCP
図2 中高水分サイレージのTDN
図3 中高水分サイレージのNDF
図4 低水分サイレージのCP
図5 低水分サイレージのTDN
図6 低水分サイレージのNDF
3 粗飼料分析結果から来年のサイレージづくりを考える
粗飼料分析を行い科学的な数値で栄養価を確認しましょう。分析データを上記のグラフと照らし合わせ、我が牧場の栄養価の位置を知ることも重要です。サイレージ栄養価を改善する具体的手段は何か(植生改善、施肥管理、収穫時期、サイレージ調製方法など)を明確にし、来年の営農計画に活かしましょう。