春は牛舎の窓を開けよう!
5月は、中旬以降一気に気温が上がる傾向があり(図1)、日によっては一時的に20度を超える時もあります。
特に、搾乳牛は、人が感じる適温よりも10度程度低い気温を好む生き物です。気温に応じてカーテンを開けたり、ファンを動かせるような準備が必要です。
図1 根室管内における5月の平均気温 ※データは根室管内5カ所のアメダスより
1 換気不足による生産への影響
換気が不足していると、採食量が不安定になり、ちょっとした気温の変化で軟便や乳房炎、子牛の肺炎が発生しやすくなります(図2)。
図2 換気不足による生産への影響
また、直接症状が現れなくても、分娩後の立ち上がりがなんとなく遅れたり、乳量がパッとしないこともあります。
2 春の換気対策
(1) 施設や設備を確認しよう!
「いざ換気をしようとした際に窓やカーテンがきちんと開かない」、「防鳥ネットの目にほこりが詰まっている」、「ファンの調子が良くない」など、換気を妨げる要因は様々です。これらの要因が見つかれば、早い段階で修繕しておきましょう(写真1)。
写真1 きれいに管理されている防鳥ネット
(2) 入気のために窓やカーテンを開けよう!
自然換気の場合は窓やカーテンを十分に開放し、新鮮な空気が入るようにします(写真2)。トンネル換気の場合は、窓を閉め隙間を塞ぐことで陰圧効果を高めることができます。入気口を大きく解放し、送風および排気用のファンを乳牛の状態や空気の質を見ながら調整します。
写真2 取り外すと換気量が倍増
ファンの清掃により換気効率が向上した事例などもあります。換気扇の点検や電気関係で不安な点があれば業者に見てもらうことをおすすめします。
夏本番になるとさらに換気に注意する必要があります。もし、牛舎換気を改善したいと思っている場合など普及センターにご相談ください。