乳牛の暑熱対策!
これから本格的な暑さが予想されます。5月号でも触れましたが、乳牛は高温多湿に弱い生き物です。湿度にも左右されますが、乳牛に暑熱ストレスの影響が現れ始めるのは22℃からです。暑熱ストレスを緩和するため、対策をしっかり行いましょう。
飼槽・エサの管理
- 残飼掃除を行い、給餌回数を増やし、新鮮なエサを給与しましょう。
- ルーメンアシドーシス防止のため、重曹給与*を行いましょう。また、ナトリウムやリンなどのミネラルを増給しましょう。
*乾乳牛は不要
換気・送風の徹底
- 牛舎の開口部を最大にし、新鮮な風を最大限入れましょう。
- 空気がよどまないよう、排気用ファンを必要台数設置しましょう。
- 送風機で牛舎内に空気の流れを作りましょう。
飲水の管理
- 水槽やウォーターカップを清潔に保つため、こまめに清掃を行いましょう。
- 配管を太くするなど、供給できる水の量を増やしましょう。放牧地やパドックでは、飲水できる場所を増やしましょう。
開口部を最大に
普及センターで実施した換気調査結果
下図はR3年8月に普及センターで実施した換気調査結果(8戸:A~H)です。日中でもカーテンが半分しか開いていない、換気扇が回っていない牛舎では、二酸化炭素(CO2)濃度が高い箇所が多く見られました。これは場所によって換気が行き届かず、空気のよどみが発生しているからと考えられます。夏季の場合、外気と同等のCO2濃度(約400ppm)が望ましいです。換気の徹底を心がけましょう。
暑熱対策を万全にして、今年の夏を乗り切りましょう!