令和4年産グラスサイレージの品質について
1. 令和4年のチモシー生育と収穫作業について
本年の牧草の萌芽期は、平年よりも3日早まりましたが、チモシー1番草の出穂始と出穂期は、ほぼ平年並となりました(表1)。本年の気象は6月から8月にかけて降雨量が多かったことから、収穫終は、平年よりも4日程度遅くなりました(表1、2)。
表1 チモシー1番草の生育期と収穫作業(根室管内) 表2 1番草収穫時の天候
2. 1番草サイレージの栄養価
根室管内のサイレージ分析値(ホクレン分析)を水分含量65%以上(中高水分サイレージ)、65%未満(低水分サイレージ)に分類した結果は、次のとおりです(10月下旬までの分析)。CP、TDN、NDF(繊維含量)成分のばらつきが、前年に比べ総じて大きい傾向にあります。本年の収穫始は平年並でしたが、収穫期以降に降雨の日が多かったことから、収穫作業の判断が難しい年であったと思われます。
3. 粗飼料分析結果から来年のサイレージづくりを考える
粗飼料分析から栄養価を数値で確認しましょう。我が牧場の分析データを上記のグラフと照らし合わせ、栄養価レベルを把握することが重要です。栄養価が、サイロやほ場によって大きく変わる場合は、牛の反応を確認しながら、すみやかに飼料の組み合わせを微調整します。また、栄養価が不良の場合は、改善に向けた具体的手段(植生改善、施肥管理、収穫時期、サイレージ調製方法など)を明確にし、来年の営農計画や技術改善に生かしましょう。