根室農業改良普及センター営農技術情報 令和5年7月

初乳と移行乳の衛生管理

 子牛の下痢発症リスクを減らし、病気に強い子牛を育成するには、衛生的な初乳と移行乳の取り扱いが必要です。今回は、搾った後の初乳と移行乳の管理方法について確認します。

1 初乳の保管方法

 搾った初乳や移行乳の保存は細菌の繁殖防止が重要で、バルク乳と同様に4℃以下で冷却保存する必要があります。搾乳後2時間ほど水冷却して余熱をとり、その後、冷蔵保存(写真1)するのが理想です。冷蔵できない場合は、ふたが出来る容器で水冷却します。冷蔵では最大1日保存できます。2日以上保存する場合は、冷凍保存する必要があります。冷凍保存の場合、最大1年ほど保存可能です。

冷蔵庫内に保存された初乳

2 加熱殺菌による初乳中の細菌数の低減

 母乳をとおして子牛に感染する牛伝染性リンパ腫(BLV)やヨーネ病などの原因菌は、表1の条件で死滅します。パスチャライザーを用いて初乳や移行乳を加熱殺菌することで、より確実で衛生的な給与ができます(図1)。
パスチャライザーの使用にあたり、次の4点にご留意ください。また、ほ乳器具の洗浄不足や保管状況により再び汚染されるため、ほ乳器具の取り扱いに注意が必要です。下にほ乳器具やパスチャライザーの推奨する洗浄方法(図2)を記載しますので、ご確認ください。

一般的な細菌の死滅温度と時間

パスチャライザーの初乳殺菌効果

パスチャライザー使用時の注意点

ほ乳器具やパスチャライザーの推奨する洗浄方法

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