根室農業改良普及センター営農技術情報 令和5年12月

令和5年産グラスサイレージの品質について

1 令和5年のチモシー生育と収穫作業について

 本年の牧草萌芽期は、平年よりも5日早まり、チモシー1番草の出穂始・出穂期ともに2日早まりました(表1)。本年の気象は、6月16日~6月末にかけて雨が降らない日が連続したため、収穫作業は1週間ほど早まり、収穫終は、平年よりも9日程度早くなりました(表1、2)。

表1 チモシー1番草の生育期と収穫作業(根室管内)

表2 1番草収穫時の天候

2 1番草サイレージの栄養価

 根室管内のサイレージ分析値(データ提供:ホクレン、雪印種苗、データ件数:228点)水分含量65%以上(中高水分サイレージ)、65%未満(低水分サイレージ)に分類した結果は、次のとおりです(10月中旬までの分析、図1~6)。R5年産1番草サイレージは、R3、R4年産に比べてTDNがやや高く、CP、NDF(繊維含量)についてはほぼ同じような傾向となっています。ただ、中高水分サイレージはCP、TDN、NDFともにR3、R4年産よりバラツキが大きいため、利用にあたっては注意が必要かと思われます。

3 粗飼料分析結果から来年のサイレージづくりを考える

 粗飼料分析を行って、栄養価を数値で確認しましょう。分析データを上記のグラフと照らし合わせ、自牧場の粗飼料栄養価レベルを把握することが大切です。栄養価が、サイロやほ場によって大きく変わる場合は、牛の反応を確認しながら、すみやかに飼料の組み合わせを微調整します。また、栄養価が低い場合は、改善に向けた具体的手段(植生改善、施肥管理、収穫時期、サイレージ調製方法など)を明確にし、来年の営農計画や技術改善に活かしましょう。

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