敷料管理から乳房炎を減らそう!
敷料を投入する目的の一つに、牛床衛生を保つことが挙げられます。しかし、適切な管理を怠ると、菌が増殖し、乳房炎が増えるなどの問題が引き起こされます。今回は、菌を繁殖させない敷料管理とそれを確かめる牛体衛生スコアについて説明します。
1 除糞のタイミング・回数
敷料を投入していても、除糞のタイミングが悪かったり、回数が少なかったりすることで、牛床が汚れやすくなります。給餌やエサ寄せなどの、牛が一斉に立ち上がるときに除糞を行いましょう!
2 消石灰の併用
特におが粉は大腸菌が増殖しやすい敷料です。そのため、消石灰を混ぜて散布する必要があります(図1)。
※他の衛生資材を使う際は、殺菌効果の有無に留意しましょう!
・おが粉1㎥に対して消石灰10kg程度を混合し、その水溶液がpH11以上になるように矯正する ・消石灰の殺菌効果は3日以内 |
図1 消石灰利用の注意点
3 保管場所の確保
敷料を長期間保管しておくと、水分を含み、菌が増殖します。雨水が入りにくい場所で保管し、長期間の保管はやめましょう!
~牛体衛生スコアを確かめよう~
牛体衛生スコアは、下腿、乳房、大腿の汚れ具合を評価する指標で、数値が高いほど牛体が汚れています(図2)。スコア3、4の牛が多い場合、衛生環境が悪いと考えられます。
牛体衛生スコアは体細胞数と相関が見られます(図3)。
牛の乳房やふとももを見て、糞で汚れている牛が多い場合には、敷料管理を見直すことで、乳房炎の低減につながるかもしれません。
図2 牛体衛生スコア 引用:ウィスコンシン大学
図3 衛生スコア(乳房)3以上の頭数割合と出荷乳の体細胞数との関係
引用:愛知県農業総合試験場