採草地のギシギシ防除とフロストシーディングによる追播事例の紹介
R5年は、2番草でギシギシ等が増えた草地が見られました。その対応として、除草剤による雑草防除(ギシギシ)とフロストシーディング(以下、FSと表記します)による追播の事例を紹介します。耕種概要については、以下の表を参照してください。
表 フロストシーディング2事例の詳細
フロストシーディングとは・・・
植物の発芽条件である「温度・酸素・水」のうち、温度条件が牧草の発芽に適さない霜(フロスト)が降りる時期(日平均気温7℃以上が3日以上続くことがなくなる時期~根雪始まで)には種(シーディング)行い、翌春の融雪後に発芽させる方法です。
*は種深度はあまり深くしすぎないように注意が必要です。
5月2日にチモシーの発芽が確認されました(写真1)。その約1ヵ月後のチモシーの状況です(写真2)。除草剤によって枯死したギシギシの跡が裸地になり、土壌中のギシギシの種子が発芽し、ギシギシが再発生するおそれがあります。追播したチモシーによって、それを抑制することが期待できます。
秋の除草剤による防除でギシギシが大幅に減少し、チモシー主体の採草地に戻りました(写真3)。
①除草剤による雑草防除と②FSによるチモシーの追播をあわせて実施し、牧草の品質向上と収量の増加を図りましょう。
チモシーの追播を検討される場合は、普及センターにご相談下さい。
写真1 R6.5.2 標津町
写真2 R6.5.31 標津町
写真3 R6.6.20 標津町
左:除草剤処理区 右:無処理区