根室農業改良普及センター営農技術情報 令和7年6月

 根室の黒毛和牛は、市場での個体販売が大半です。安定した収益を得るためには、子牛・素牛を買って肥育する購買者に喜んでもらえる牛づくりを進めることが重要です。
 

1)全国の取引頭数と価格

 素牛の取引頭数が増加すると、取引価格は下落します。おおむね10年を一区切りとして、頭数と価格の変動があります。

2)根室地区の動向

 根室は受精卵を活用した黒毛和種の生産が盛んで、75%以上が受精卵による仔牛です。
 多くは生後2ヶ月以内に市場で販売されています。

3)スモール市場で好まれる良い子牛

○生後50日の体重が雄80kg以上、めす70kg以上
○血統が良い。
○毛艶が良く、被毛の密度が高い。
○適度に皮下脂肪があり丸みをおびている。
○ミルク太り(腹の極端な下垂)していない。
○固形飼料の摂取ができる。

◆大きく丈夫な子牛を産ませる◆

 生後50日で体重80kg以上に成長する子牛は、産まれる時点で40kg以上の体重が必要になります。また、病気に感染させないことが重要です。
 大きく免疫力の強い子牛を産むためには、分娩2ヶ月前から良質な粗飼料と、十分なタンパク質が母牛に給与されていることが重要です。産まれた子牛の体重や胸囲を測り、分娩前の母牛の管理を見直しましょう。

◆配合飼料・粗飼料・水を与える◆

 発育が良くても、固形飼料を摂取できない子牛は嫌われます。買ったあとの発育が悪く、離乳時にトラブルが起こりやすい(購買者が苦労する)ためです。
 必ず配合飼料と粗飼料・きれいな水を与えましょう。最初はわずかな量ですが、生後40日以降は摂食量が急増するため、見逃さず増給しましょう。

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