1.令和6年 全道乳質ランキング
表1は全道の生乳出荷農協中における根室管内農協・支所の衛生的乳質(体細胞数)の状況です。
30万以下のクリア率は非常に高いですが、全道ランキングは道内の他産地とくらべ、中間の位置に留まっています。
生乳生産の主産地である根室は消費者が望む安心・安全な牛乳を提供する必要がある地区です。より一層の改善が必要であると言えます。
表1 2024年度 全道合乳体細胞数成績(年間累計)
順位:全道の生乳出荷95農協中の順位
情報提供:ホクレン中標津支所
合乳クリア率について
その地区の集乳ローリーが30万以下をクリアした割合を示した数値です。もし、10台の内1台が不合格ならクリア率は90%となります。
10台中9台合格 → クリア率90%
例えば、ある地区における集乳ローリーの台数が10台とします。
月3旬の検査で1年間の累計台数は360台となります。
年間クリア率99%の場合、3台程度が30万以上であったことになります。
2.衛生的乳質改善によるメリット
乳房炎に罹ると乳房内が炎症し、乳腺組織が破壊され乳量の損失が大きくなります(図1)。
また、健康な乳牛は乳房炎の牛にくらべ、空胎日数が短縮する傾向にあります(図2)。
左:図1 体細胞数と損失乳量※十勝乳房炎協議会資料より引用(一部改変)
右:図2 乳房炎と空胎日数※(株)石井獣医サポートサービス資料より
この他、乳成分の向上、診療費や労働時間の減少など、数え切れない利益を皆さんの牧場にもたらしてくれるでしょう。
これから12回に渡り、衛生的乳質改善についてシリーズ化します