根室農業改良普及センター営農技術情報 令和7年10月

衛生的乳質改善シリーズ③正しい搾乳手順

 毎日行う搾乳作業は、間違った方法で行うと乳房炎を引き起こす大きな原因となり、乳量・品質の低下につながります。

1 前搾りとオキシトシンの分泌

前搾りと清拭をしっかり強く行うと、強い乳頭刺激となり、泌乳ホルモンであるオキシトシンが分泌されます。オキシトシンには乳房内の乳腺胞を収縮させ、ミルカーの吸引力では吸い出せない乳を乳腺胞から降下させる働きがあります(図1)。搾乳はこのオキシトシンの働きを利用します。

図1 搾乳のイメージ(南根室地区農業改良普及センター平成12年営農改善資料より

前搾りは「5回以上強め」に行い、「乳頭全体に確実な刺激を与える」ことが重要です(図2)。このとき、親指と人差し指で乳頭の付け根をしっかり閉じないと、乳頭内の細菌で汚染されている可能性の高い生乳が乳房内へ逆流する可能性があるので注意しましょう。 

図2 前搾り回数による乳中の体細胞数とリニアスコアの平均値(根室農業改良普及センター平成31年調査研究より一部改変)

2 推奨される搾乳手順

前搾りをしっかり行い、オキシトシンの働きを利用した搾乳を行いましょう!

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