根室農業改良普及センター営農技術情報 令和7年9月

衛生的乳質改善シリーズ②根室管内の農家毎の乳代と乳質乳代の状況

1.根室管内の乳代と乳質乳代の状況   

主な収入源である、生乳の収入は乳代(総支払乳代:円/㎏)×乳量で計算されます。乳代(総支払乳代)は、成分乳代(乳脂肪と無脂固形分)と乳質乳代(生菌数と体細胞数)に補給金・集送乳調整金を合わせた合計です。
 根室管内農家毎の乳代(総支払乳代)と乳質乳代の分布を見てみました。

図1 R7年6月根室管内の乳代の分布(共販経費控除前、消費税・補給金込、円未満切り捨て)情報提供:ホクレン中標津支所

図2 図2 R7年6月根室管内の乳質乳代の分布(小数点第一位以下切り捨て)情報提供:ホクレン中標津支所

令和7年6月のデータ(図1)をみると、乳脂肪と無脂固形分が高く乳代が136円の農家もあります。戸数が20戸以上の乳代で見ると、112円から124円と12円の差がありました。
 乳質乳代(円台/㎏)は多くの農家で最大の4円ですが、0円以上3.5円未満の農家は186戸ありました(図2)。根室管内の2割の農家が乳質乳代で50~200万円の損をしています。

2.乳質改善による乳代収入の向上の効果

乳質乳代は、バルク乳(3旬)の生菌数と体細胞数で決まります(表1)。 
 先月号で、乳房炎に罹患することで、乳量の損失が起きると記載しました。乳質改善により、乳量の損失が減少すると出荷乳量が上がります。さらに、もし乳質乳代が毎月2円の方が4円に改善すると、生乳1t当たり2,000円の収入増、年間500t出荷されていれば、100万円の収入増となります。

表1 乳質ランク別の生乳㎏当たりの単価

次回は、衛生的乳質改善シリーズ③正しい搾乳手順(前搾りとオキシトシンの分泌)です、ぜひご覧ください!

カテゴリー

根室農業改良普及センターのカテゴリ

cc-by

page top