乳房炎を原因とした乳量・乳質・乳成分の低下による経済的損失を軽減するためには、乳房炎の正しい知識と、適切な対応が大切です。今回は乳房炎の発生機序と乳頭の異常徴候を紹介します。
○乳房炎の発生機序
乳房炎とは細菌感染による乳房の炎症のことです。細菌の感染により乳管系や乳腺組織が炎症を起こし乳汁の合成機構が阻害され、異常乳を分泌したり体細胞数が増加します。
○乳頭口スコア
乳頭先端にはケラチン層と括約筋があり、乳腺に細菌が侵入するのを防いでいます。過搾乳やマシンストリッピングによる乳頭先端への過度な真空圧、ライナースリップによる乳汁の逆流(ドロップレッツ)で乳頭先端が傷つきます。乳頭の防御機能が低下すると乳房炎原因菌が侵入しやすくなっていしまいます。
乳頭口スコアの目標はスコア3~4の割合が牛群の20%以下となることです。20%以上になる場合は、搾乳手順やミルカーの装着時間等を確認することをおすすめします。
異常を見つけた場合は乳房炎の発生リスク低下に取り組みましょう!

