根室農業改良普及センター営農技術情報 平成27年3月

 

 

根室農業改良普及センター営農技術情報   平成27年3月


 

 

乾乳期の管理~DMIの低下を防ぐ~
                                      (平成27年 3月)

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  乾乳期管理において、「乾物摂取量(DMI)を最大にすること=食いを落とさないこと」が大切です。DMIに影響する要因は三つあります(図1)。
 DMIは生理的にも低下しますが、最小限に食い止めることが大切です。「環境」と「過肥」の対策を検討しましょう。

zu01.jpg 図1   DMI変動の要因

1   環境
  DMIを落とさないために、牛がストレス無く採食・飲水できる環境を目指しましょう。 
 充分な飼槽幅の確保

  弱い牛でも充分採食できるように、充分な飼槽幅を確保しましょう。

全頭並んで採食できる飼槽幅を確保することが大切です(写真1)。

shasin01.jpg 

写真1  

最大頭数時でも1頭あたり70cm確保できている例

 水槽の設置

   水を充分飲めることは、採食意欲(DMI)の向上につながります。広い間口

に加え、定期的に掃除してあると理想的です(写真2)

 shasin02.jpg 

写真2   余裕をもった飲水スペース、飲水量も充分に確保

  屋外飼槽周辺の泥ねい化対策

  屋外飼槽で、牛が立つ場所の泥ねい化を防ぐことで、DMIは高まります。

コンクリートや火山灰で整備したり、こまめな除ふんを行いましょう(写真3)。

 shasin03.jpg 

写真3   飼槽前の牛が立つ位置はコンクリートで 整備

  広い場所で自由に行動させる
  乾乳牛は生理的なDMI低下に加え、狭い場所でストレスを受けると更にDMIが低下してしまいます。乾乳牛の飼養場所周辺に、パドックとして使えそうな場所がある場合、活用を検討しましょう。
2   過肥 

   泌乳後期の過剰なエネルギー摂取は、過肥につながります。
 過肥の状態のまま乾乳期を過ごすと、DMIの低下が引き金となって、

   周産期疾病や分娩後の生産性低下につながる可能性があります。
   泌乳後期からの管理のポイントは、次のとおりです。

 ◎牛の状態を確認しましょう
  牛の太り具合は、腰角と坐骨の肉付きで判断します。写真4の上段は太りす

ぎ、下段は適正な状態です。

 shasin04.jpg 写真4   太りすぎの牛はいませんか
  太り具合の調整は泌乳後期から

   泌乳後期は乳量に対してエネルギー量が過剰にならないよう、配合の量など

を調整しましょう。

  乾乳期の盗食は過肥のもと~つなぎ飼いの場合~

  乾乳牛の盗食防止のために、つなぎ替えて搾乳牛から離す、

仕切り板の設置、一頭分空けるなどの工夫をしましょう(写真5)。

 shasin05.jpg 写真5   1頭分空けて仕切り板を設置

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