根室農業改良普及センター営農技術情報 平成27年10月

 

 

根室農業改良普及センター営農技術情報   平成27年10月


 

 

営農計画書の作成について~作成前の検討事項~

                                      (平成27年10月)

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1   厳しい酪農情勢だからこそ大切

 北海道の平成16年を基準とした10年間の生乳100kg当たりの生産費は上昇が続いており、その大部分は購入飼料費の上昇分であることが分かります。それに伴って所得は低迷が続いています(図1)。
 しかし、このような情勢の中でもしっかりと所得を向上させている事例は多く見られ、その特徴は経営の戦略を明確に立て、実践している酪農家にほかなりません。

 その戦略に当たる部分が営農計画書です。

 

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 図1   平成16年を基準(=0円)にした生乳100kg当たり生産費および所得 の増減額の推移
      (2015年3月公表・畜産物生産費統計より作成)

 
2   営農計画書は経営の入り口

 農業だけに限らず、すべての経営は、
 計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)
 という4つのサイクル(PDCAサイクル)(図2)を繰り返すことによって、継続的な改善を目指します。その中で営農計画書(Plan)は次年の経営改善へ向けた入口であり、経営戦略を立てる道具として非常に重要なアイテムとなります。

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 図2   PDCAサイクルのイメージ

 
3   反省点を踏まえ戦略を立てる

 例えば今年の実績で、購入飼料費が計画よりも大幅に超過し、経営が悪化したとします。この場合、その原因は飼養管理に問題があるのか?それとも粗飼料の栄養価(品質)の低さが要因になったのか?等の原因を探ります。酪農では問題点を分析する様々なツール(乳検データや分析値)やモニタリング手法がありますので、それらを有効に活用しましょう。図3で示しているように「購入飼料費を削減したい」という目標に対する戦略でも、多くの技術の組み立てが必要であり、短期的な戦略と中長期的な戦略を組み合わせた計画を立て、実行することが大切です。 

 

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 図3   購入飼料費削減に対する対策例

 
4   家族や従業員と合意する

 農業経営では、生産に係わる者(家族や従業員)すべてが、その内容について合意し、一丸となって取組まなければ目標達成は困難です。何かを取り組むということは、労働の増加や作業内容の変更を伴うことが多く、合意無しに決めることは、後にトラブルの元になりかねません。
 係わる人と事前に十分な話し合いを持ち、目標や課題そして取組む内容について共有することは非常に大切な作業です。 

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 図4   事前に家族や従業員とよく話し合いましょう

 

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