根室農業改良普及センター営農技術情報 平成27年12月
冬期間の牛舎環境 ~ 冬こそ換気を意識しよう!~
(平成27年12月)
牛舎を閉め切りがちになる冬がやってきました。ほとんどの牛が一日中を牛舎で過ごすことになります。冬は、牛舎環境が生産性に大きく影響を及ぼします。冬期間の牛舎環境を今いちど確認してみませんか。 | |
冬こそ換気が大切 | |
牛の呼気やふん尿からの水分、アンモニア、ホコリなどで、牛舎の空気はすぐに汚れます。このとき換気が不十分だと、次のようなことが起こります。 |
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冬の換気方法 |
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牛の体に直接風を当てることなく、ゆっくりと牛舎内全体の空気を入れ換えることがポイントになります。 | |
【つなぎ牛舎】 | |
換気扇は回っていますか? | |
せっかく牛舎に換気扇を設置しているのに、冬になると回さなくなっていませんか? 冬の換気にこそ換気扇が必要です。常時ゆっくり回して牛舎の換気を行いましょう(写真1)。 |
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写真1 常時、換気扇をゆっくり回して排気する |
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牛舎を閉め切ったまま換気扇を回しても、汚れた空気をかき回すだけです。汚れた空気を排出し、新鮮な空気を取り込むために、ウォーターカップが凍らない程度に窓や扉は開けておきましょう。 | |
いちど窓を閉め切ると結露で窓が凍り付き、一冬中開けられなくなるおそれがあります。 | |
風雪の強い日でも、窓は開けたままにしておき、使い終わった紙袋を窓の開いた部分に詰め込んで工夫している事例があります(写真2) | |
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写真2 風雪の強い日は使い終わった紙袋を再利用 |
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換気扇のない牛舎でも、暖かい日や日の当たる昼間は窓扉を開放するなど、こまめに開け閉めをしながらできるだけ新鮮な空気を取り込みましょう。 | |
【フリーストール牛舎】 | |
牛舎は閉めきらないように! | |
汚れた空気(牛の体温で暖まった空気)は上昇し、屋根の開口部から排出されます(図1)。屋根の開口部は閉めきらないようにしましょう! | |
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図1 フリーストール牛舎の換気構造 |
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屋根の開口部を開放すること(排気)と同時に重要なのが、新鮮な空気を取り込むこと(入気)です。 |
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写真3 牛舎側面のカーテン上部を開けて入気する |
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