根室農業改良普及センター営農技術情報 平成28年4月
草地の確認と施肥の注意点
(平成28年 4月)
1 草地の状況を確認しましょう | |
【凍害の有無】 | |
今冬は根雪が遅く、また、少雪により土壌凍結が、平年より深く入っている地域があります(表1)。 |
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表1 土壌凍結深と積雪深 (平成28年2月15日時点) |
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4月下旬から5月上旬頃になると牧草が芽吹き(萌芽)、草地が緑色になり始めますので、凍害による冬枯れの状況を確認しましょう。手で引っぱるとすっぽり根から抜けてしまう牧草は、被害を受けています。特に、マメ科牧草や前年に更新した新播草地、オーチャードグラス、ペレニアルライグラス(近年、放牧地で利用が増加)等は凍害に弱いため、よく観察しましょう。 冬枯れの状況を確認し、粗飼料確保量の不足が懸念される場合は、追播も含めた更新計画を立てましょう。 |
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2 施肥は適期に行いましょう | |
【施肥時期】 |
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牧草の収量は、施肥時期の影響を受けます。「萌芽」が始まり、これから生長し始める時期に養分が無いと茎数が増えず、収量が低下します(図1)。 土壌凍結が抜け、草地に機械が入れるようになったら、速やかに施肥を行いましょう。 |
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図1 早春の施肥時期が1番草収量、有穂茎数に及ぼす影響 (根釧農試1986) |
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土壌凍結が抜け、草地に機械が入れるようになったら、速やかに施肥を行いましょう。 | |
3 スラリー散布によるサイレージへの影響 |
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スラリー散布の場合、量・時期・粘度(濃度)の条件によって、スラリーが牧草に付着しサイレージへ混入しやすくなるため、注意が必要です。 | |
【量・時期】 | |
スラリーの散布量が多く、さらに散布時期が遅くなるほど、サイレージへの混入量が増え、サイレージ品質を低下させます(図2)。 スラリーの散布は、サイレージを収穫する50日以上前(遅くても5月中旬)までに行うべきです(時期が遅くなると伸長した牧草自体への付着も多くなります)。また、牧草中の硝酸態窒素濃度は、過剰な量の施用、散布から収穫までの期間が短いと高まります。 散布機械等の準備を計画的に立てて、速やかに散布出来るようにしましょう。 |
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図2 スラリー散布方法(量・時期)の違いによるサイレージ原料草の洗浄液の比較 |
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【粘度(濃度)】 | |
スラリーの粘度は、処理方法(固液分離、ばっ気、加水、バイオガス等)によって様々です。「どろっと」したものは、牧草に付着しやすくサイレージ品質の低下原因となります(図3)。 ばっ気や加水によって粘度を下げて散布すると、牧草への付着を少なくすることができます。可能な範囲で取り組むことをおすすめします(詳しくはH22年発行 営農改善資料「サイレージの達人」を参照)。 |
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図3 スラリーの性状とサイレージ品質の関係 (H22「サイレージの達人」より) |
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また、たい肥散布の場合も散布遅れに留意し、塊が目立っていたらパスチャ―ハロー等をかけて砕いておきましょう。 | |