根室農業改良普及センター営農技術情報 平成28年5月

 

 

根室農業改良普及センター営農技術情報   平成28年5月


 

 

 

スムーズに放牧期を迎えましょう!
                                     
(平成28年 5月)

 

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   5月に入り既に放牧を開始された方も多いかと思います。半年ぶりの放牧で、人にも牛にも大きく飼養環境が変化します。この管理の変わり目をスムーズに乗り切って、本格的な放牧時期に備えましょう!

 

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図1   馴致の効果について  (新得畜試 1987) 

 

 1   放牧草に馴致させましょう!

  この時期は牛を放牧草に慣らす大切な時期です。1日2~3時間の馴らし放牧からはじめましょう。そうすることで、ルーメン内の微生物が放牧草に適応する間を稼ぐことが出来ます。馴致を行うことで、その後の放牧草の採食や乳量が安定します(図1)。また馴致は畜舎の出入りや外気温に牛を慣らす意味もあります。
 
2   併給飼料も忘れずに!
  馴らし期間中はまだ草量が不足しています。畜舎に牛を戻す際は、いつもより肋の張りを観察しましょう(図2)。もし肋の張りが不十分な場合は草架などで粗飼料を与える、早めに牛を畜舎に戻して中で粗飼料を給与する、パルプのような併給飼料を与えることも必要となります。

 

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 図2   肋の張りを確認しましょう

 

 3   水は飲めていますか?

  牛が放牧草を腹一杯食べるためには、水が必要です。牛は放牧地で1日60~70リットルの水を飲みます(図3)。畜舎に牛を入れた時、牛が真っ先にウォーターカップの水を大量に飲む場合は放牧地での水不足の可能性が高いです。「給水車を使用している場合、据え置きの水槽と違い、タンク内の水しか給水出来ません。小まめに給水車を利用して水を補給しましょう(写真1)。また据え置きの水槽を使用している場合は、どの牧区からも牛がアクセスしやすいところに設置することが望ましいです。
 

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 図3   放牧地の飲水量   (上川農試天北支場)

 

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 写真1   小まめな水の補給を

 
4   牛道の準備は進んでいますか?
  牛道は牛の毎日の通り道です。悪天候でもぬかるまず、歩きやすいようにきちんと整備しましょう(図4)。
 

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図4   牛道の整備

 
  舎飼期から放牧期へスムーズに移行して、本格的な6月の放牧期をむかえましょう。
 

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