根室農業改良普及センター営農技術情報 平成29年3月

 

 

根室農業改良普及センター営農技術情報   平成29年3月


 

 

 

ストップ! 抗生物質残留事故

~事故防止に向けて今いちど確認を~ (平成29年3月)                             
                                                                   

 

 

 

 

 

キャプション

  厳冬期を過ぎ、寒さが和らぐ日も少しずつ増えてきました。しかし、季節の変わり目は牛も人も体調を崩しやすいなど、「いつもと違う状態」から意外と事故が起こりやすくなる時期ともいえます。 

 
重大事故の裏にはたくさんの「ヒヤリ」がある

  根室管内では、年間平均十件以上の抗生物質残留事故が起こっています(表1)。

表1   根室管内の抗生物質混入事故
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    管内全体で見ると大きな数字ではないように見えますが、一件の事故の後ろには300件の「ヒヤリ」とした失敗があるといわれます(図1)。 決して他人ごとではありません。

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図1   ハインリッヒの法則

事故はどんな時に起こるか
  表2は、平成28年年度の根室管内抗生物質残留事故の実態です(根室家畜保健衛生所調べ)。事故は、主に次のような原因で起こっています。


表2   平成28年度   管内抗生物質残留事例

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抗生物質混入事故を防ぐために
1   マーキングを確実に
  最低でも2種類、複数のマークで見落としのリスクを減らしましょう。誰がどの方向から見ても分かるように付け、色は危険を知らせる意味のある目立つ色を使います。
 ・ 脚にバンドをつける
 ・ スプレーで乳房や牛体後駆に大きくマークする(薄くなる前に再度マーキング)
 ・ 牛の前に看板を吊す   など
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誰が見ても分かる看板も有効 

複数の種類・色で 

目立つところに目立つ色で 

 
2   搾乳者間の報告、確認の徹底
  最近では規模の大きさから、ひとつの作業を複数人で担当したり、作業の分担化が進んでいる農場が増えています。
朝晩で搾乳者が替わる時は特に注意が必要です。全員が確認できる連絡ボードなどを活用しつつ、口頭でもしっかりと「伝える」「確認する」ことを徹底しましょう。
 
3   最後の砦(とりで) 
  「絶対」はあり得ないのが世の常です。ミルクローリーへの混入を防ぐ最後の砦として、抗生物質検査キットの使用をお勧めします。 
 
  マーキングの見落としは、いつもより忙しい時、トラブルがあった時、普段と違うスケジュールや作業動線などが原因で起こっています。毎日の慣れた作業こそ確認を徹底し、事故の防止につなげましょう! 

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