停電からの早期回復
平成30年9月6日に発生した胆振東部地震による停電の影響は乳牛に大きなダメージを与え、その影響は長期化することが予想されます。今後の対策について検討しましょう。
1 乳量の回復に向けた対策
過去、台風による停電被害で出荷乳量が大きく低下した地域は、その後の回復に違いが見られました(図1、2 出荷乳量の推移)
図1 地域A(対策あり) 図2 地域B(対策不十分)
地域Aでは、乳量の体調や粗飼料品質に合わせた飼料設計を地域全体で取り組んだことが、出荷乳量の早期回復につながったと考えられます。
乳牛の早期回復には栄養バランスのとれた飼料給与が重要となります。今年の1番草は栄養成分も消化率も低い傾向です。粗飼料分析を活用し、飼料給与することをおすすめします。
2 乾物摂取量を高める「環境」を用意しましょう。
飼料設計の効果を発揮するためには、牛に腹いっぱい食べてもらうことが重要です。乾物摂取量を高めることのできる「環境」を用意してあげましょう!
1 エサの掃き寄せ
牛の行動に合わせて掃き寄せ回数を増やし、常に牛が届く範囲にエサを用意しましょう。
<ポイント>
1回目の掃き寄せは、牛がエサを食べ始めて一段落つく20~30分後がベストタイミング★
2 キレイな水
たくさん食べるためには、たくさんの飲み水が必要になります。水槽やウォーターカップをきれいに保ち、飲水が集中するタイミング(給餌後、搾乳後)でも、牛がストレスなく飲める水量・台数を確保しましょう。
3 十分な換気
アンモニア臭などの臭気や多湿によるストレスは乾物摂取量の低下を招きます。十分な換気を行ってほこりや臭気、湿気や熱を牛舎外へ排出し、新鮮な空気を取り入れることで、牛舎内の空気を清潔に保ちましょう!
*詳しくは各戸に配付されている平成29年度 営農改善資料「あと二口食わせる技術」をご覧下さい。
(HP http://www.nemuro.pref.hokkaido.lg.jp/ss/nkc/)
お気軽に普及センターにお問い合わせ下さい。(TEL 0153-72-2163)
根室農業改良普及センターのTOPページへ
営農技術情報の目次へ