根室農業改良普及センター営農技術情報 平成30年11月

営農改善資料発行!3

 この資料は、将来構想の考え方、労働生産性を考慮した農場全体のシステムのあり方、投資するにあたって事前に準備しておくことについて掲載しています。

 9月から計4回にわたり概要と活用事例の紹介をしています。

 

第3章  事前に準備しておくこと

 第1章では、将来の農場の規模や投資計画について、第2章では必要な施設について、それぞれ紹介をしました。この章では、それらを踏まえた上での実務的な準備作業について紹介をしています。

   

 

(1)計画を立てる 

  まずは、投資計画の作成と予定地の確保が必要となります。

 投資計画の作成には、(1)各施設の図面を引く、(2)各施設の位置や向き(レイアウト)を決める、(3)各施設の見積を取る、(4)必要な資金計画を立てる、(5)増頭計画を立てる、という作業があります。これらは互いに影響し合うため、同時進行で何度も行うことになります(図1)。予定地の確保には、保有している土地を利用する場合と土地購入の場合とで、それぞれ手続きや作業が必要となります。

 本資料では、具体例を紹介しています。自身の計画と照らし合わせてシミュレーションをしてみましょう。

 

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(2)手続きのスケジュール 

  施設建築に関する手続きには、(1)資金調達、(2)補助事業利用、(3)農地転用、(4)法人化などがあります。農場の条件により必要な手続きは異なりますが、スケジュールに余裕を持たせて計画的に進める必要があります(表1)。

 補助事業の利用、資金調達および農地利用の計画を十分に検討し、できるだけ早い段階で各窓口に相談しましょう。

 

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(3)雇用にあたって 

  経営規模の拡大や事業の多角化、家族の状況などによって、従業員の雇用を行うことも選択肢として考えていかなくてはなりません。

  

 雇用を考える上では、従業員数、雇用の開始時期、求人方法、就業前研修、雇用形態や賃金形態、保険の加入、従業員の住居、労働時間や福利厚生など、決めていく事項は多々あります。

 本資料では、従業員の方々への聞き取り調査や各農場のホームページ、求人サイトの事例から、雇用の確保についてポイントを紹介しています。

 

(4)直前の準備 

 稼働に向けて、直前にやっておくことをチェックリスト形式で紹介しています。

 牛にとって、環境の変化は一時的に大きなストレスになりますが、施設が新しくなることは作業手順を一新する絶好のチャンスです。今一度、施設を見直し、実際に牛を入れた状況をイメージしながら準備を進めていきましょう。

 

 

 増頭や雇用の確保など、投資に向けて、2~3年前からの計画が必要です。第1章の将来目標や第2章の農場システム・レイアウトの検討まで戻って何度も検討し、準備を進めていきましょう。ときには、「今回はやめておく」という、中止・延期の決断をすることも大事な判断です。

 

つづく

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