根室農業改良普及センター営農技術情報 平成30年12月

カーフウォーマー使用時の注意点

 ここ数年で、「カーフウォーマー」と呼ばれる新生子牛の乾燥を促す道具が急速に普及しています。

 カーフウォーマーを使用している農場では、表1のような感想が聞かれています。新生子牛の事故を減らすために非常に有効な道具の一つとなっており、これからの季節は、子牛体温低下や凍死を防ぐ目的で、さらに使用頻度が増える事が考えられます。以下の使用上の注意点を参考にして下さい。

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1.カーフウォーマー・子牛は清潔に!

 汚れたままの使用を見かけることがあります。カーフウォーマーが病原体の感染源にならないように、清潔な状態を保ちましょう(写真1)。内部の壁や網にふんが付いた状態での使用は厳禁です。1日の分娩頭数が2頭以上となり、洗浄する余裕がなければ、2台目の購入も必要です。毎回、高圧洗浄機で洗浄する農場もありますが、冬期間、多くの農場では消毒液を付けたブラシでこする等の工夫も行われています。また、子牛自身がふんで汚れていれば、綺麗に拭く、お湯で洗うなどの方法で清潔な状態にしてから入れましょう。

 

               

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写真1.  毎回高圧洗浄機で洗浄している農場のカーフウォーマー

 

 

2.「初乳はできるだけ早く」は変わらない

 子牛の体の早期乾燥が実現されても、抗体をできるだけ早く(6時間以内に)子牛の口に入れてやる重要性は変わりません(図1)。特に和牛の場合は、初乳給与までの時間が重要とされています。夜中の分娩の場合は、カーフウォーマーに入れる前に、とりあえず初乳サプリメントを飲ませる等、他の資材も上手に利用しましょう。

 

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図1.  抗体吸収率の変化(北海道農業試験場,1978)

 

3.入れすぎによる脱水注意!

 カーフウォーマーに入れる時間は3~6時間を目安とし、換気口を開けて換気も行いましょう。ホームセンター等でも入手可能なコンセントに設置するタイマーを利用すると便利です。また、入れたままにせず、脱水症状を起こしていないかを目視で確認しましょう。

 

4.カーフウォーマーに入れる前に

 可能であれば母牛にリッキング(なめる行為)をさせ、ヨード剤等でへそと周辺を消毒しましょう。

 

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基本管理はH26年営農改善資料を参照(根室生産連発行)

 

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